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人理を守れ、エミヤさん!
アーキマンなのかソロマンくん!
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波は物理的な破壊力を伴う衝撃波を発し、周辺に夥しいまでの破壊を撒き散らす。
 射線にあった森林は壊滅し、地面は地割れを起こしたように抉れ、着弾を受けた百の海魔は一瞬で蒸発した。

 宣言通りに焼き払い――否、焼却し、ソロモンは張り切りすぎたと反省する。
 対軍宝具にも匹敵する一撃を事も無げに放ったのは、せめてものマスターへの意趣返しだ。今頃突然の魔力消費にそれなりに苦みばしった顔をしているはずだと思う。
 オルガマリーの父、マリスビリー・アニムスフィアがマスターなら今の位階の砲撃を五連射出来たが、士郎の魔力量では連発すら危うい。今ので溜飲をさげようとソロモンは思う。余り後に引き摺るのは大人げないし。

「嘘だろ……今のレベルの大魔術を、なんの下準備もなしで、それもたった一息でだなんて……」

 ウェイバーが絶句していた。魔術による大規模破壊は、噂に聞く彼のミス・ブルーを上回っている。とても現実の光景とは思えない破壊の跡に、彼の中の常識ががらがらと音を立てて崩れていった。
 それを尻目に、今の一撃で誰の目にも触れさせず、冬木のキャスターも倒せたのを確認し、ソロモンはひとまず自身の正体を有耶無耶に出来ることを確信する。
 ロマニとしての研鑽と、ソロモンとしての叡知が掛け合わされている今、士郎の策謀を見抜くことは困難ではない。故にそれに合わせるために、ソロモンは自身の正体を秘匿する。

「流石よなぁ、魔術王! 今の一撃を事も無げに放ってのけるとは、余をしても度肝を抜かれたぞ!」
「賛辞は受け取ろう。しかし私からすれば、今の魔術は児戯にも等しい。これが全力と思われたなら心外だね」
「ほぉ! 今のが児戯ときたか! 俄然其の方に興味が沸いてきたわい」

 豪胆な征服王の賛辞に余裕を持って微笑む。
 相性のいい下位のサーヴァントが相手だから一撃で倒せたのだ。これが征服王を狙ったものなら回避されただろうし、カルデア最強の槍兵なら反撃ついでの投げ槍で手傷を負わされかねない。
 やはり魔術師である以上、神殿を作って籠っている方がいいなと思う。まあこの編纂事象の処理が叶わなかった変異特異点で、ソロモンは自分の陣地を持つつもりはなかったが。

 ソロモン――ロマニ・アーキマンは、自分の保有する最高位の千里眼を封印していた。
 過去・現在・未来の全てを見通すそれは、確かに便利ではある。しかしそれは人の心を持つ者には無用であり、人の戦いである特異点修復の旅に用いるべきではなかった。
 それでも、これは自身に関わる事件だ。故にこそロマニは千里眼を使い、迅速に事態の終息を図るつもりでいたのである。しかし――

 ――ロマニ。マスターとして指示するが、その千里眼()は閉じておけ。

 カルデアのマスターは、そう言ってロマニに千里眼の使
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