そんなに嫌か士郎くん!
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「令呪が効かない、マスターが死んでもなんとか出来かねん、何をしでかすか分からん――そんな危険人物を野放しとか有り得んだろう。早急に片付けたいから協力してくれ。今なら豪華特典をおつけします!」
「ちょっと待って、ちょっと考えさせて!」
「考えるのは後でも出来るからとりあえず最後まで聞いてアイリスフィールお義母さん!」
「お義母さん!?」
「いいか! ここにいるランサーはぶっちゃけ一対一なら最強だ! 一対多でも最強だ! でも真名バレると割と詰む! そんなランサーの情報得られるとかアドバンテージ半端ない! そして同盟組んでくれるのなら聖杯譲ってもいい! 聖杯とか本気で要らないのでお義母さんと青ペンちゃんに差し上げます! 今すぐこの場でセルフ・ギアス・スクロール書いてもいいぞ!」
「セルフ・ギアス・スクロールを!? 貴方正気なの!? 聖杯戦争に参加していながら聖杯が要らないって何しに来たのよ! それとお義母さんって何?!」
「何しに来たかだと? 決まっている、青ペンちゃんに会いに来たんだよ!」
「私ですか!?」
「嘘だよ!」
ふぅ、と一気に捲し立て、男は密かに呟く。まあ、ルールブレイカーあるし――と。
コイツ最悪だなと無表情の裏で笑いを堪えるクー・フーリンである。
一頻り喋って落ち着いたのか、男、エミヤシロウは居住まいを正した。
「それで、答えは如何に?」
アイリスフィールはなんとかシロウの勢いを捌き、冷静に考える。果たして同盟の誘いを受けるべきか否か。
なお同盟交渉が決裂したなら、その瞬間にシロウはこの場から離脱するつもりだった。なにせこの城は、橋に次ぐシロウの鬼門であるからして。長居して良いことなどないと彼は弁えていた。
アイリスフィールは自分だけでは考えない。自らの経験が全く足りないことは自覚していたし、自身のサーヴァントが経験豊かな常勝の王だということもあって、アルトリアに相談することになんの迷いもなかったのだ。
故に、彼女はアルトリアに訊ねる。貴女はどうしたらいいと思う? と。
――この提案は受けるべきかと。
どうして? 全く怪し過ぎる男だ。何故か憎めない感じがして戸惑ってしまうが、それでも本能的に近しく感じてしまう空気感を彼は持っている。
アルトリアは小声で言った。
――多弁な輩の言葉は全て聞き流すのが吉です。肝要なのは話の要点だけを抜き取り理解すること。その上で考えるとランサーのマスターの提案は旨味が多い。少しでもランサー攻略の手掛かりが掴められたら上々、そうでなくともアーチャー打倒までの協力体制と割り切ればいいのです。アイリスフィール、少なくともあのマスターは不意打ちや騙し討ちはしてこないと思いますよ。
それはつまり、男の言った通りにした方がいい
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