そんなに嫌か士郎くん!
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してやそちらとは、直前まで敵対関係にあり、まともに会話が成り立つ保障もなかったのだ。まともに出向いたのではけんもほろろに追い出されるかもしれんし、交渉を行えたとしてもその席が決裂した場合、自らの陣地にいるそちらが圧倒的に有利となる。襲われない保障はどこにもない。だろう? 故にまずは対等な交渉のテーブルに着かせるために、そちらに有利となる陣地は破壊せねばならない」
「え……?」
言わんとしていることは分かる、しかし納得がいかない様子のアイリスフィールに、だが男は考える暇を与えない。
「そしてそちらは、俺達の力を既に思い知っているはずだ。かなりの危険度だと判断しているのではないか?」
「……さあ、それはどうかしら」
「取り繕うことはない。アインツベルンの事情から、アルトリア・ペンドラゴンまで全て知り抜いている。アインツベルンの魔術特性と一族の実態、悲願、アルトリアの宝具からスキル、ステータス、性格から戦闘スタイルまで。何を隠そう以前の聖杯戦争で俺とセイバーは俺お前の関係で、シロウと青ペンちゃんと呼び合っていた仲だ」
「『青ペンちゃん』!?」
堪らずアルトリアが反応する。未知の呼び方に驚愕を隠せず、横で聞いていたランサーが吹き出した。
アイリスフィールはなんとか相手のペースに呑まれまいとして、男から情報を聞き出さんとする。
「以前の聖杯戦争? ……貴方は第三次聖杯戦争に参加していたの!?」
「答える必要はないな。生憎とその青ペンちゃんは、愛を誓い合った俺のことを薄情にも忘れてくれてるらしいが、そんなことは今は関係ない。例え忘れられていても俺の好意は変わらないからな。敵なら殺すが」
「え? ……え?」
好意は変わらないけど敵なら殺す発言には混乱するしかないアルトリアである。というか本当に青ペンちゃん呼ばわりで通されるのか? なんか直感的に男が嘘を言ってるけど言っていないと感じてしまってますます混乱してしまう。
アイリスフィールは冷や汗を流しながらなんとか冷静さを保った。
「ともかく今なら互いに得しかないぞ。そちらは俺達と一緒に戦うことでこちら側の情報を得られる、こちらは打倒するのが面倒臭い相手を最小の労力で倒せる。俺が共同で倒したいのは黄金のアーチャーだ。真名は英雄王ギルガメッシュ。そちらにとっても無視できない相手だと思うが、どうだ?」
「英雄王ですって?!」
「そう英雄王だ。あらゆる英霊の頂点に立つ最強の一角、ぶっちゃけ初見の利がなければ、青ペンちゃんですら鞘があっても勝ち目のない相手だ。宝具の詳細を俺が知る限り話そう」
高い単独行動スキルからステータス、宝具の特性、極めつけにそれを十全に運用できる知能に乖離剣。
混乱から段々と戦慄に塗り変わる顔色に、男はあくまで矢継ぎ早に言う。
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