92部分:第九話 全てを壊されその一
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第九話 全てを壊されその一
第九話 全てを壊され
四人への糾弾はだ。最早止まらなかった。
学校に来ればだ。そこからもうであった。
「まだ来てるのかよ!」
「辞めろ!」
「とっとと消えろ!」
こうした罵声が轟く。そしてだった。
四人の机も椅子もロッカーも常に荒らされだ。落書きやゴミで埋め尽くされていた。時には花瓶すら置かれていることさえあった。
「死ねばいいのよ」
「本当にね」
「あんなことしたんだから」
かつては笑顔を向けていた友人達もだ。憎悪に満ちた声で言ってきた。
「それで学校来るの?」
「信じられない」
「辞めれば?」
「もういても仕方ないでしょ」
こんな有様だった。そしてだ。
時には岩清水がだ。例によって周囲を扇動して叫んだ。
「あの場所に行かない?」
「あの場所?」
「あの場所って?」
「だから。あの醜いことが行われた場所だよ」
自分達の机で沈み込んで座っている四人を見ながらの言葉だった。
「そこでね」
「行くって?」
「そこになの」
「あの行いを忘れない為にね」
この提案にはだ。流石にこう言う者もいた。
「そこまですることないんじゃないかしら」
「そうだよね」
こう言ってそれで岩清水には賛同しようとしなかった。
「別にそういうところ行かなくても」
「そうじゃないかな」
「いや、そういうわけにはいかないよ」
しかし岩清水の方が一枚も二枚も上手である。それでだ。自分の携帯を取り出してだ。そうしてそのうえであの映像を見せるのだった。
「どう思う?」
「うっ、それは」
「確かに酷いね」
「だからだよ。行こう」
映像を見せたうえでのあらためての言葉だった。
「あそこにね」
「そうね、わかったわ」
「行くべきだね」
四人が神無を攻撃しいたぶっている姿を見ればだ。怒りがこみ上げてくる。そうして賛同しようとしない彼等を抱き込んだのであった。
「やっぱりね」
「絶対に許したらいけないし」
「そう。それに」
岩清水はまた四人の方を見て言う。
「やってきた人間も連れて行かないと駄目じゃないかな」
「あいつ等かよ」
「あいつ等をなの」
「うん、連れて行こう」
また提案する岩清水だった。
「是非ね」
「ああ、来い!」
「とっとと来い!」
「こっちにな!」
「あっ・・・・・・」
四人はそれぞれ手を掴まれて立ち上がさせられてだ。皆に囲まれてそのうえでその場所に引き摺って連れて行かれるのだった。
四人もだ。何とか抵抗しようとする。
「い、行きたくないよ」
「もう許してよ・・・・・・」
「二度としないから・・・・・・」
「こんなことをして言うのかな」
岩清水はここでも携帯の
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