91部分:第八話 生徒集会その七
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が飛んできた。それが最初だった。
四人に罵声だけでなくものも浴びせられる。壇上に上がろうとする者達もいたが流石にそれは先生達が止めていた。
「おい、止めろ!」
「壇上に登るな!」
「落ち着け!」
「これが落ち着いていられるか!」
「こいつ等、許せねえ!」
体育館のあちこちで騒動が起こっていた。
最早どうしようもないまでに騒然となっていた。そしてだ。
四人は蒼白になりただそこに立ちつくすだけになっていた。彼女達にはもう何もできなくなっていた。
「そんな・・・・・・」
「何でばれてたんだよ・・・・・・」
「見えないようにしていたのに・・・・・・」
「それに・・・・・・」
目の前にある自分達への罵倒と激しい怒りはだ。四人をさらに追い詰めていた。
「も、もう・・・・・・」
「終わりだようち等・・・・・・」
そしてその場にしゃがみ込んでしまった。へなへなと崩れ落ちる。もう彼女達には何もできなくなった。激しい糾弾と憎悪の中で。
弥生もだ。顔を顰めさせて言った。
「もう無理ね」
「そうだね」
葉月も冷たい声を出す。
「絶対に許せない」
「僕もだよ」
「ここまでしていたなんて」
「思ってた?」
「いいえ」
弥生は葉月の言葉に首を横に振った。
「思ってなかったわ。とてもね」
「そうだよね。ここまで酷いなんてね」
「もう絶対に許さないわ」
弥生は決めてしまった。
「あの四人がどうなっても知らないわ」
「うん。もう放っておこう」
「あそこまでやったら報いがあって当然よ」
弥生は冷たく言い放った。
「どんな報いでもね」
「うん、僕もそう思うよ」
葉月はまた弥生の言葉に同意した。
「自業自得だよ」
「本当にそうね」
誰もが四人に激しい憎悪を向けていた。先生達も義務で生徒達を止めているだけだ。
しかしその中でだ。一人だけ違っている者がいた。
「これでよしだね」
岩清水だった。彼は体育館の放送の場から四人と糾弾の罵声を聞いてほくそ笑んでいた。そうしてそのうえで、であった。
彼は一人その場を去った。四人はまだ糾弾を受けていた。遂にその場で泣き崩れたがそれでもだった。糾弾の声は止まらなかった。
「死ね!」
「泣いても許さないぞ!」
「地獄に落ちろ!」
その罵声が止まることはなかった。体育館に何時までも響いていた。
第八話 完
2010・9・1
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