89部分:第八話 生徒集会その五
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第八話 生徒集会その五
「映像の効果は凄いよ」
「それを学校で流すだけじゃなくて」
「そうだよ。いつも通りしたらいいよ」
「そう、いつも通りだよね」
「だからわかってるね」
「勿論ね」
こう従兄に返す。
「いつもやってるしね」
「それならいいね。後はタイミングだよ」
従兄はそれこそが大事だというのである。
「何時それを出すかね」
「切り札は出すタイミングってことだね」
「それもわかってると思うけれど」
「うん」
岩清水は従兄の今の言葉にも頷いたのだった。
「それじゃあね。仕掛けるよ」
「それを出したら相手はもうどうしようもなくなるけれど」
「そこからさらにだね」
「うん、さらにね」
そうしろというのである。従兄はだ。
「相手がどうなっても墓場まで壊すんだ」
「兄さんがいつも言っているようにね」
「君もいつもそうしているしね」
「よし、じゃあ」
こうしてだった。彼等はここでも何かを企んでいた。そしてその企みを密かに動かしていた。既に岩清水の中では全てが決まっていた。
そしてだ。その生徒集会の日になった。
四人は集会の前にだ。あれこれと話をしていた。
「それじゃあだけれど」
「うん」
「行こう」
四人で言い合う。
「謝ったら皆許してくれるよね」
「少なくとも今よりずっとましになるよな」
「そうよね、謝ったら」
「やっぱり」
四人はとにかく今のこの状況を何とかしたいだけだった。
「だから謝りに行こう」
「そうだよ、そうしようぜ」
「何とか。こんな状況」
「変えよう」
こう話してそのうえで向かうのであった。
そしてである。生徒集会がはじまった。ここで四人や岩清水の担任の先生が体育館の壇上に出て来てだ。マイクで言うのだった。
「皆さんにお話したい人達がいます」
「何だ?」
「何なんだ?」
皆それを聞いてだ。まずは怪訝な顔になった。
「話って何だ?」
「一体何かしら」
「それでは」
先生はまた言う。
「さあ、こっちに来てくれ」
「あっ、あれって」
「あいつ等じゃないか」
壇上にだ。四人が出て来たのだ。学校の生徒達も教師達もだ。その彼女達を見てまずは驚きの声をあげた。弥生も葉月もである。
「どういうことかな」
「謝るとかじゃないかしら」
弥生はすぐにこのことを察した。
「それで出て来たんじゃないかしら」
「それでかな。若しそうだったらだけれど」
「そうだったら?」
「もう許してあげてもいいんじゃないかな」
葉月はこう弥生に話す。
「これでね」
「あの四人を?」
「もう四人共かなりの目に遭ってるし」
葉月はこのことを話した。
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