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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
黒魔術-Dark Majic- Part3/微熱と雪風を憎む者たち
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きた。
「まだそれはわからないが、可能性が低くなりつつある」
「えぇ〜。リシュも舞踏会に出たかったのにぃ」
「まだ中止になると決まったわけじゃない。決定が下されるまではそうならないようにするさ。ティファニアのためにも、俺たちをここに置いてくれている平賀たちのためにもこのイベントは起こしておきたい」
中止になるかもしれないと残念がるリシュに、シュウはまだ諦めるつもりがないことを意思表示する。愛梨のこともあるし、他者を巻き込みたがらない質のシュウだが、気がつけばアルビオンから脱出する際に至るまで、自分は多くの人たちに借りができてしまっていた。だから少しでも返していきたいと思っていた。
「…ふふ」
「ど、どうして笑う?」
急にテファが微笑んだことでシュウは戸惑う。
「だって今のあなた、いつもと違って張りきってる気がするの。いつもだったら戦うことばかりで、自分を追い詰めてる感じがしてたから」
「…」
「あ、その…笑ってると言っても、別に可笑しいと思った訳じゃないの、ごめんなさい」
いつも通りの無表情なのに、ひたすら戦いに集中していた頃の彼と比べると、どこか明るく見えてくる。テファは自分のために、と加えて舞踏会開催に意欲的な姿勢を見せるシュウに嬉しさがこみ上げる。そう思うあまりつい笑みを溢して言ったのだが、シュウが黙りだしたことで彼に不快を与えたかもしれないとテファは慌てる。
「…そうだな。お前の言う通りかもしれない」
シュウは、テファに言われたことを否定しなかった。
「俺は、戦うために技術者を目指してたわけじゃない。自然を汚すことのない、人の生活を支える発明ができる技術屋を、人を幸せにできる機械の開発を目指してたんだ」
テファの隣に腰掛け、過去を振り返りながらシュウは自分がかつて描いた夢を語り始めた。
「人類は自らの知恵を駆使し、地球の文明を発展させていった。おそらくこの世界よりも短い年月をかけてな。でもその一方で、繰り返される戦争や、人類の発展と引き換えに地球の自然が破壊され、それに伴って地球の気温の異常な上昇、自然災害の多発と言った形でそのツケを受けることになった。
だから、俺が自然を壊さず人の生活を支える機械を作れたら、きっと人も地球も、より豊かになって、幸せになっていけるはずだと思って、技術者になることに決めたんだ」
「人を幸せにする発明家…素敵な夢ね」
アスカに話していたそれよりもさらに詳細な、自分が思い描いていた夢。子供らしく夢想に溢れた、だからこそ素敵なものと言える夢。
テファには、地球の環境事情は難しい話も同然であったが、シュウが他者を思う強い理想を持っていたことに笑みを浮かべる。
「けど、ビーストが現れ、そんな夢を抱く余裕なんてすぐになくなった」
「え…」
しかし、シュウの口から告げられたその言葉で、テ
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