黒魔術-Dark Majic- Part3/微熱と雪風を憎む者たち
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ションまで豊富になっている。地球で魔法が使えたりしたら、もっと陰湿な行為をいじめっ子たちはしでかすことだろう、とサイトは考えた。
「だが、あの様子だとあいつら、あんたたちをターゲットに…いや、つるんでいるあたしたち全員に対して何かしでかすつもりだよ。あの目を見ればわかる」
皆に向けてアキナが警告する。しばらく前に自分もルイズにあの目を向けていたから分かる。あの態度を見れば、まだヴィリエとトネーが何かを仕掛けることが予想された。自分たちに恥をかかせたキュルケとタバサへの復讐のためにも。キュルケについては彼女一人だけのせいにはできないし、タバサの視点から見れば完全にあれは逆恨みだ。ギーシュたちは舞踏会への参加を拒むだけで逃れられそうだが、タバサが心配いらないと首を横に振る
「それは大丈夫。あの時のトラウマがあるなら、手を出してこない」
「あいつらもそこまで無謀じゃないわ。あたしたちの中の誰かが、何かしらの嫌がらせを食らったら、あたしとタバサのどちらかが、拷も…尋問しに来るってわかっているはずよ」
「おい、今拷問って言わなかった?」
今すさまじく物騒な単語がキュルケの口から出そうになったのを誰もが聞き逃さなかった。この二人、一度やると決めたらどこまでもやる凄味があるのだろう。それを恐れてトネーとヴィリエは、以前キュルケたちに対して行った陰湿な嫌がらせ行為はしてこない。
「でも、舞踏会に反対するだけで、たとえそれが嫌がらせ目的であっても、私たちに対する正当な反対意見として通される」
しかし一方でタバサはそのようにも言う。彼らは今でもキュルケたちに対して報復を考えるほどに恨みを募らせてはいるが、一度手を出せばこちらが火傷することはしっかり体に刻まれている。しかし、今回のように平民向け舞踏会をキュルケたちも含めた者たちが行うとなった場合、出る杭を打つように反対姿勢を誇示し続ければ、それだけでキュルケたちに対する意趣返しとなる。以前のような陰湿な嫌がらせをする必要はないのだ。
「くそ、陰険な奴らだぜ…!」
サイトはヴィリエたちの悪質な思惑を呼んで歯噛みする。ああいうやつらは自分たちより弱い立場の奴を平気でいじめてもおかしくない。キュルケとタバサに対しても、自分たちより目立っているとか優れていることを認めたがらない、ガキ大将気質からきているとも思えた。
「これについてはさすがにあたしたちの責任も大きいわね。ごめんなさいね、クリス」
「いや…キュルケはそれについて責任を感じていたからこそ、さっきの私を止めてくれたのだろう。感謝する。
ルイズも済まないな。お前には辛い思いをさせる。さっきもお前のことを侮辱されて怒りを抑えられなくなるところだった」
「…いえ、謝らなくて大丈夫よ、クリス」
声に力はなかった。サイトはここで、ルイズは自分の見ていないとこ
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