黒魔術-Dark Majic- Part3/微熱と雪風を憎む者たち
[7/18]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
!好き勝手言いやがって…」
「ムカつく奴らだね。誰なんだい、あいつら」
サイトもそうだが、ハルナも怒りを覚えるあまり、裏の人格であるアキナが表に出てきていた。特にサイトたちに向けて悪辣さをあらわにしたあの二人について、ギーシュが説明する。
「ヴィリエ・ド・ロレーヌとトネー・シャラント、あいつらをはじめとした連中が特に反対姿勢を持ってるんだ」
「前にあたしたちにコテンパンにされたのが今でも気に食わないのかしら?変な方向で執念深いことね」
「因縁でもあるのか?」
シュウからの問いに、キュルケはこのようにみんなに向けて説明した。
1年前、ルイズたちがまだ魔法学院に入学仕立ての一年生だった頃、彼女持ちも含めた多くの男子生徒を誘惑し続けたキュルケにトネーをはじめとした女子生徒たち数名、幼い外見でありながら学年トップクラスの魔法の腕前を持つタバサにヴィリエがつっかかかったことがあるという。残念ながらトネーはキュルケに言いくるめられ、ヴィリエは中々勝負に応じないタバサに『母』というタブーワードに触れたことで決闘に持ち込んだのだが、内心母を侮辱された怒りのタバサに一方的に返り討ちにされてしまう。
二人を恨んで、いっぱい食わせてやろうと報復を目論んだトネーたちは、新入生歓迎の舞踏会でキュルケの身ぐるみを隠れた場所から風魔法で引っぺがし、あたかもそれをタバサのせいにさせるという成りすましの奸計を実行した。しかしキュルケはドレスを引きはがされて、むしろ恥ずかしがりもせず平然としてしまっていたため、さらに多くの男子生徒たちの注目を浴びることになった。その一方でトネーたち女子生徒を悔しがらせることはできたものの、これをきっかけにキュルケとタバサが決闘を行うという事態に陥る。むしろこのような事態にさせるつもりだったトネーとヴィリエにとって望ましいことだったが、決闘の最中にキュルケはタバサの魔法をかわしているときに、タバサの魔法と、服を破いた風魔法が全くの別物…つまり、真犯人が他にいることに気づき、ひそかにキュルケとタバサの潰しあいを望んでいたヴィリエとトネーは二人の決闘騒ぎの後、そのキュルケによって密かに髪と服を燃やされ、素っ裸の状態で魔法学院の塔から吊るされるという、貴族とは思えぬ恥をさらすことになった。
またこれによって、火と水、情熱とクールという、魔法と性格面において真逆に位置するはずのキュルケとタバサは気の置ける友人同士になったとか。
「あの二人が塔で黒こげの裸にされて吊るされてたのって、あなたたちの仕業だったのね」
深いため息を混じらせながら確信したモンモランシーに対し、キュルケはそうよ、と一言だけ楽しそうに言った。
これを聞いてタバサを除く全員が呆れていた。なんという報復をしでかしたのやら。魔法が使える分、変にそのあたりのバリエー
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ