黒魔術-Dark Majic- Part3/微熱と雪風を憎む者たち
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たちの開く舞踏会に大いに期待しているのですが、我々の立場としても、反対派の彼らの声は無視できないのです…」
「ま、まだ説得の途中なんです!ですから…もう少しだけ時間をください!」
ルイズがオスマンたちに必死に懇願する。このまま終わらせたくないという強い熱意を強く押し出した。
「もちろんわかっておる。君たちが懸命に努力をしていることはの。だから即刻中止という酷なことはするつもりはない。サイト君、ミス・ヴァリエール、ミス・オクセンシェルナ。次の虚無の曜日までに、皆を十分に説得してほしい。それが果たされなかった場合は、残念じゃが…」
虚無の曜日までに皆に、舞踏会開催の意思を抱かせることができなければ、舞踏会を中止にする。オスマンからそのように宣告を下されたサイトたちの足取りは重かった。
「まいったな…次の休みの日までにここにいる生徒たちを説得しつくせないといけないなんて…」
クリスが頭を悩ませる。
「学院長、あんなに俺たちのことを応援してくれてたのに…」
サイトも肩を落としそうになる。これでは楽しみにしてくれていたオスマンにも申し訳が立たない。
「これじゃあ舞踏会の開催が絶望的だわ。どうにかならないかしら?」
三人が、何か解決策がないか考える。自分たちだけの独断で開催するわけにもいかない。それでは学院は成り立たなくなるし、実家の家名にも影響が出てしまいかねない。
するとそこへ、ギーシュとモンモランシーの二人が彼らのもとにやって来た。
「サイト、クリス…ここにいたんだね」
「どうしたのよ、何か用?」
「ここでは…少し話しづらいわ。休み時間は教室にいて頂戴。皆に集まってから話をしたいの」
一体なんの話をするのだろう。疑問に思うも、その一方で嫌な予感があった。
そしてそれは的中する。
「舞踏会の参加を取り止める!?」
休み時間の教室にて、ギーシュとモンモランシーからそのことを聞いてサイトは絶句する。
「僕もマリコルヌやレイナールたちと協力して説得を試みたのだが…」
ギーシュがひどく参った様子で言うと、この日この場に同伴していたマリコルヌとレイナールも同じ表情を浮かべている。
「僕が説得に回った人たちの中で、賛成してくれる人誰もいなかったよ」
「僕も同様だ。平民に毒された恥さらし、なんて言われてしまったよ」
マリコルヌとレイナールは、平民向け舞踏会の開催に協力してほしいという提案には、他の貴族たちと違って協力的な姿勢を見せてくれた。ウェザリーの策謀交じりな演劇をやらされたこともあって慣れていたこともあり、また今回の舞踏会の狙いが、無期限休校の危機にある魔法学院に、再び生徒や平民たちを呼び戻すためでもあると聞いて理解を示してくれていた。
だが、そんな彼らがどういうことか、協力をやめると申し出てきた。
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