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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
黒魔術-Dark Majic- Part3/微熱と雪風を憎む者たち
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できないんだし…今は戦う気も起きないんだ。サイトたちにも借りを作り、テファにも迷惑をかけたことは多々。その分だけ彼らに何かをしてやらないと義理もたたない。
「料理だったら、私も力になれると思うわ。貴族のみんなのお口に合うかはわからないけど」
「いや、何かしらできることがあるなら、あいつらも喜ぶはずだし、お前の腕ならあいつらも納得させられるはずだ。不安なら、シエスタというメイドに頼ってみたらどうだ?平賀とも仲が良いらしいし、話も聞いてくれるだろう。俺も料理はできるから、何か一緒に伝授してもらおう」
「シュウが、一緒に?」
「あぁ」
一緒だと聞いて、テファの顔に笑みがこぼれた。思えばこれまで彼とまともな共同作業はほとんどしたことがなかった。これが彼との、本当の共同作業。テファは嬉しくなって心が躍った。
「リシュ、何をすればいいの?リシュもお手伝いしたい!」
「リシュには…そうだな…招待状制作の手伝いでも頼んでみるか」
「うん!」
リシュにもせっかくだから何かをやってもらおう。子供でもできそうなことを頼み、リシュはそれを受け入れた。


…が、ここで問題が発生した。


この日もサイトたちは、平民向け舞踏会の準備にかかっていた。ルイズやクリスたち貴族組が説得に回り、サイトやシュウ、ハルナたちは地下室などから集めた機材をまとめるなどと、役割を分担して活動に勤しんでいたのだが、説得組の方は望んでいた結果を得られなかった。
さらに追い打ちをかけるようにサイトたちに伝わった話は、よろしくない状況を認識させるものだった。
舞踏会開催者の代表としてサイト、ルイズ、そしてクリスの三人がお呼び出された。
「反対意見が多い、ですか?」
不安そうにクリスが尋ねると、オスマンが頷く。
「うむ、実は他の生徒たちからこちらに抗議が殺到しておるのじゃよ。なぜ平民のために貴族が頭を下げるような真似をしなければならないのか、と…のう」
「そんなに、多いんですか!?」
唖然とするサイトに、オスマンは気まずそうに頷いた。
「予想こそしていたが、よもやこれ程平民と貴族の間の壁が大きいとは、わしとしてもこれは誠に…」
「この舞踏会は、平民たちに向けて開催される予定のものであるがゆえに、貴族としての伝統と心構えを重んじる生徒たちには受け入れ難いものであることが予想されます。そのため私たち教師は表立って手伝うことができず、生徒主導で行わなければならない。しかし、オールド・オスマンがたった今仰られた様に、肝心の生徒たちの同意を得られなければ…」
同室しているコルベールもサイトたちと気持ちが同じためか、残念そうにしている。
「もしこのまま舞踏会を開いても、彼らが大規模に開催を拒んでいる以上、参加人数不足か、更なる抗議が殺到してしまうことでしょう。私も君
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