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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
黒魔術-Dark Majic- Part3/微熱と雪風を憎む者たち
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とを話し、アンリエッタはこの日だけ彼女と共に帰宅し、近づいてきた男子生徒たちに、ティファニアに本人の参加の意思がない以上参加を認めないと念を押した。思えば最初からこうした方が良かったのではとも思ったが、アンリエッタは生徒会長とビースト討伐の家系=ナイトレイダーのリーダーの役目の両方を担っている身だからあまり苦労を掛けるような真似は避けるべきだろう。
ティファニアのことも心配することなく、この日シュウはキュルケと共に帰ることになった。帰りは、あの悪魔の影がまた襲ってくる可能性もあるし、例の五芒星完成を促す可能性もあるので、憐たちにも別の帰り道を使うことを伝え、先日とは違う場所を通ることにした。
「それにしてもどういう風の吹き回しですの?あなた、私のことをあまり好んでいないと思っていましたけど」
下校中、前を歩くシュウを見てキュルケがふと思って尋ねると、シュウはただ淡々とした口調で答えた。
「昨日のような異常事態でもお前が無事に帰れるように見ているだけだ。他意はないさ」
「ふーん、でもこんなところ、彼女さんに見られたら誤解されると思わないのかしら?」
「彼女?なんのことだ」
妙にキュルケが楽しそうに話している。意味がわからずシュウは首を傾げる。
「とぼけちゃって。あたし、あなたがよく女の子と同伴なのは知っているのよ?一度狙った男の情報は掴まないと、手に入るものも手に入らないもの」
「だとしたらお前の情報網は当てにならないな。俺は誰かと交際した覚えはない」
「あら、そう?ティファニアも、花澤愛梨先輩…だったかしら?あの人も違うの?特に花澤先輩、あなたが彼氏だってはっきり言いまわしてたけど」
(あいつ…余計なことを)
自分たちは交際宣言を下した覚えはない。なのに勝手に彼氏扱いされるのはあまり気分がよくなかった。
「けど彼女、ちょっとやばい気もするわね」
すると、キュルケは愛梨について思うところがあるのか、そんなことを口にした。
「やばい?」
「ええ、なんというか…なんだかなりふり構っていられないって感じ。何かを成し遂げるためなら、他の何かをいくらでも捨てられそう…そんな危うさを感じるわ」
言われてみれば…とシュウはここ最近の愛梨の様子を振り返る。様子がおかしいと思えるところがある。本来はシュウだけでなく、憐や尾白たちなど、誰にでも仲良く接することができるし、困ったことがあればその相手を献身的に手伝ってくれる、簡単に言えばかなりのお人よし。
しかし最近の彼女はどうだ。以前と比べ、周囲に対して棘を出しているような気がしてならない。特に、シュウとかかわりを持とうとする女性に対して視線が鋭くなった気がする。ティファニアの頼みを聞いた時も、そんな目をしていた。シュウが他の女性と接することがあると、なぜかその女性との関係を問い詰めることも多い
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