黒魔術-Dark Majic- Part3/微熱と雪風を憎む者たち
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変なのに襲われた…と言うのは、おそらくあの先日のことだ。今は余裕のように見えて、実はまたあの悪魔に襲われるのではという不安もあるのだろう。だからその分だけサイトに依存もしているようだ。
「むほおぉぉぉ…」
「あんた、そのむ…むむむむ胸から垂れ下がってる、老後にだらーんとぶら下がってだっさいだけになる脂肪でサイトが自分を指名させるように仕向けさせているんでしょうけど、そうはいかないんだから!」
「あーら、なんのことを言ってるのかしら?言いがかりは見苦しわよ?最初から最後まで骨と皮のルイズ?」
「だあああああれが骨と皮ですってえええええええええ!!!」
「あが!?ぎ…ギブギブ…」
せめて争うなら自分たちの魅力で、それもミスコンという用意された舞台上でしてほしいというのに、この二人はまたしても一触即発になる。そうしている間にキュルケのサイトへの拘束がさらに強まっていく。
「ツェルプストー、いい加減平賀を離してやれ。そいつ今にもあの世に逝こうとしているぞ。ヴァリエールもこんな安い挑発にいちいち乗るな」
サイトが今にも窒息しそうなのを見かね、シュウから指摘を受けたキュルケは「あら、あたしったらいけない♪」と一言言うと、サイトをようやく胸元から離した。窒息しかけていたくせにサイトの鼻の下が伸び切っているのが妙に腹が立ったルイズは、とりあえずサイトの尻に蹴りを一発喰らわせて悶絶させた。
「困りましたね…誰か平賀君の代わりに推薦人に立候補すれば…!」
アンリエッタが頭を抱えて悩みだす。解決すべき最優先事項があるとはいえ、生徒会長としての表の仕事も手を抜けない。
「あ、そうですわ!良いことを思いつきました!」
が、彼女はシュウを見てあるアイデアを思い付く。自分を見た瞬間そのように言ってきたシュウは、若干嫌な予感を覚える。
「先輩、申し訳ないのですが…あなたがキュルケさんの推薦人を引き受けてもらえますか?」
「お、俺がか!?」
やはりそう来たか。だが以前シュウは、愛梨たちにも話した通りキュルケにしつこいアプローチをかけられ迷惑をかけられたことがある。キュルケ推薦人だなんて、今でこそサイトに熱を入れているとは言え、軽い気まぐれでまたこちらに迫ると思うと引き受けたいとは思えなかった。が、ここでクリスはシュウに耳打ちする。
「ここはひとまず引き受けた方が得策だと考えます。あの二人の争いがこんなタイミングで続いてはミスコンに響き、果てはこの二人の仲の改善には繋がらなくなるかもしれません。それに、これは一つのチャンスだとも思います」
「チャンスだと?」
どういうことだと聞こうとすると、今度はタバサがシュウに言った。
「ルイズやキュルケを、例の悪魔の失踪事件の犯人が狙ってくる可能性がある。アンリエッタ会長もそれを考えて提案したと思う」
正当な理由
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