暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第6章:束の間の期間
第194話「合間の出来事・前」
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い。……それらを成すその勇気、その覚悟が一体どれほどのものなのか、貴方にはわからないだろうね」

 必死に否定しようとする男に向かい、葵は“だって”と続け……



   ―――お前は、“死”の恐怖を知らないからね



「……っ、ぁ……!?」

 葵の殺気に中てられ、男は体を震わせ、何も言えなくなる。

「今回の事件における彼の行動と活躍は、事件の担当となった提督や執務官もしっかりと取り上げている。お前が何と言おうと、彼の“死”は栄誉あるものとして語られるよ」

 決して無意味ではない。意味があった。
 そう、葵は断言する。優輝と椿の想いも代弁して。

「……ううん、彼だけじゃない。他の殉職した人達も、管理外世界の見ず知らずの人のために戦った。……その事を侮辱するのは、その世界の一員として、許さない」

 本来であれば、立場の関係上葵が真っ向から対立するのは得策ではない。
 ただティーダと縁があるだけの嘱託魔導師だ。権力の差と言うのもある。

「ッ、ふん!たかが管理外世界の魔法を知っただけの小娘が口にした所で……!」

 故に、男も意地を張るように見下すような言い方を止めなかった。

「―――そこまでですよ」

 事実を言った所で、権力で威張っている相手は止まらない。
 止められるとしたら、同等以上の権力を持つ者の介入が必要だ。
 ……そして、その存在が今、そこに現れた。

「一部始終、見させてもらいましたよ」

「ほ、本局統幕議長!?」

 かつて管理局黎明期を支えた“伝説の三提督”の一人。
 本局統幕議長ミゼット・クローベルが、そこにいた。










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