暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第6章:束の間の期間
第194話「合間の出来事・前」
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お前こそが無能だと、笑顔のまま葵は言った。

「ねぇ、彼のどこが“無能”なのかな?次元転送で逃げようとした次元犯罪者を追いかけ、最後の最期まで足掻いた彼の、どこが“無能”なの?」

「ふ、ふん!それで無様に死んでいる事そのものが“無能”だと言っているのだ!」

 注目が集まってくる。
 だが、もう止まらないのか、男は主張を止めない。
 その様子に、優輝も葵の横に並び立った。
 椿は二人の行動を見て一旦落ち着き、ティアナに寄り添ってあげていた。

「AAランク3人、AAAランク4人、Sランク4人、SSランク2人、SSSランク1人。魔導師ではない現地協力者は推定になるが、AAランク2人、AAAランク1人、SSランク1人だ」

「な、なんだお前は急に……!」

 突然の優輝の言葉に、男も戸惑いを見せる。

「……今回の事件で現れた災厄。それに対して一斉に戦い、一撃もまともに当てる事ができずに敗北した者達の強さだ」

 そして、続けられた言葉に聞いていた周りの者達は戦慄した。
 かなり優秀だと言われる者がそれだけの数集まり、敗北したのだ。
 それも、善戦した訳でもなく、圧倒的差で。
 その事実は、その場に集まっている者達にとって衝撃だった。
 一応、中にはその事実を知っている者もおり、その者達は驚いていなかったが。

「他にも条件付きでSSSオーバーの魔導師2人や、瞬間的な速さは同じくSSSランクに迫る魔導師、強力なレアスキル持ちのSSランク魔導師、全員が陸戦AAランクはあると思われる魔導師ではない現地協力者10名。……そんな戦力を連続でぶつけても倒しきれなかった」

「な、なにが言いたい!」

 さらに衝撃的な事実が露呈したが、男は先に何が言いたいのか問うた。

「……そんな敵に対し、たった一人で、お前が“無能”だと言った男は、傷を負わせ、後に致命傷とも言える布石を残したぞ?」

 顔を赤くして激昂していた男は、その言葉で固まった。

「“超”が付けられる程優秀な魔導師が10人以上でも敵わなかった相手に、たった一人で、死ぬと分かっていながらも必死に足掻き、一撃と致命傷に繋がる布石を残した。……これだけやって“無能”呼ばわりか。……随分とハードルが高いな?」

「な……ぁ……そ、そんな事実があるはずがない!!」

「認めないのは勝手だが、事実には変わりない」

 アースラからの監視映像には、瘴気の影響で記録には残っていない。
 しかし、実際に戦った者達のデバイスには映像が残っている。
 ティーダの最期も記録されており、既にそれらはクロノ達が複製してある。
 ……この男がどれだけ否定しようと、証拠は残っていた。

「死を覚悟し、その上で最後まで足掻き、無意味に終わらせようとしな
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