ノアニール
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森>
一行は翌早朝にノアニールを出発し、一路西へ…エルフの隠れ里を目指す。
大勢の美女に出会える事を期待するリュカは、一人ウキウキ気分で『恋のバカンス』を歌い、いつもの様に敵を呼び寄せる。
現れたのは『バリイドドック』と呼ばれる、犬のアンデットが4匹。
「あ!ワンコだ!…でも腐ってる。臭いがきついなぁ…」
素早く臨戦態勢に入るリュカ以外の4人。
しかし先制したのはバイリイドックだ!
バイリイドックが遠吠え!
アルル達の体が淡く光る…
「『ルカナン』だ!気を付けろ!」
何故だか動物の言葉が分かるリュカが、アルル達に注意を促す。
それを聞き、ウルフが『スクルト』を唱え、守備力を上昇させた。
「ナイス、ウルフ!じゃぁ私も、バギ!!」
しかしハツキのバギは効果が薄く、バイリイドックにダメージを与えられない。
「ギラ」
続いてアルルがギラを唱える。
真っ赤な炎がバイリイドック達を赤く包む。
1匹のバイリイドックが炎の中から飛び出し、アルルに襲いかかる!
「甘い!」
だが、アルルの遙か手前でエコナに鉄の槍で突かれ絶命した。
ひとまず戦闘も終わり、再度エルフの隠れ里へと足を進める一行。
ハツキが落ち込んでいるのに気付いたリュカは、彼女に近付き声をかける。
「どうしたのハツキ?何か落ち込んでる?さっきバギが効かなかったから、落ち込んでる?」
「私…全然みんなの役に立ってない…」
「そんな事無いと思うよ。アルルが怪我したらホイミで治してるじゃん!」
「でも、私じゃなくても…アルルだってホイミ使えるし、リュカさんなんかはベホイミを使えるじゃないですか!本職の僧侶の私はホイミしか使えないのに…」
「でも回復役は多いに越した事はないよ!それに僕を当てにしないで…常に逃げる準備で忙しいから」
リュカは戯けて見せるが、ハツキは俯き表情は暗いまま…
「アルルのギラ、見ました!?本職のウルフと同じくらいの威力ですよ!それなのに…私のバギは…」
「あのねハツキ…アルルは勇者様なんだよ。何でも出来る…それが勇者様なんだよ」
「何でも…やっぱり私…いらないですよ…」
リュカの言葉に一層落ち込むハツキ…
「何でも出来る人間っていうのはね、一人じゃ何にも出来ない人の事なんだ。」
「え!?何でも出来るのに?」
ハツキは顔を上げリュカの瞳を見つめる。
「うん。腕力はあるが戦士程じゃない。素早く動けるが武闘家程じゃない。攻撃魔法を使えるが魔法使い程じゃない。もちろん回復系の魔法も使えるが僧侶程じゃない。いいかいハツキ…落ち込むなとは言わない…でも『自分は役立たずだ』って落ち込んでも、何も解決はしないよ。それより『どうすれば役に立てるのか』って悩んだ方が有益だ!」
「…………私に、何が出来ます
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