ノアニール
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が分かる…」
イノック老人が絞り出す様に呟く。
「分かるね!僕にも息子が居る!とても真面目な良い子だが、どこか抜けてる感がある息子だ。いつか、どっかのバカ女に騙される様な気がして、ワクワクしてるさ!でも絶対、『別れろ』なんて言わない…僕は息子を…ティミーを信じてる!アイツはきっと良い女を連れてくるって…」
リュカは嬉しそうに、自分の息子の事を語っている。
それをイノック老人は見る事が出来ない…自分の息子を信じる事が出来なかったから…
アルル達は村の宿屋を勝手に借りて、今後の事を話し合っている。
「取り敢えず…エルフの里に行ってみましょうか…」
「でも、会ってくれますかね?いきなり攻撃されませんかね?」
「それは分からないけど…でもこのまま、ほっとく訳にもいかないし…」
アルルの溜息混じりの提案に、リュカは何も言わない…
視線を向けても優しく微笑むだけ…
「あの…リュカさんは…この村を救うのに反対じゃないの?」
恐る恐るウルフが訪ねる。
「(クス)反対なんかしないよ。さっき怒ったのは、息子の幸せを考えていないジジイに対してだよ。まぁ…エルフを迫害した村人達にも、少しは腹が立つけど…誰しも自分たちと違う存在は怖いんだよ………でも、こっちの世界じゃエルフって怖い存在なの?」
「リュカさんの世界じゃ違うの?」
リュカとの価値観の違いに、少し戸惑うアルル。
「そうだよ!エルフだよ!人間より遙かに長生きで、とてつもない魔力を持っているんだよ!人間なんて一瞬で滅ぼしちゃうよ!」
ウルフは興奮気味にエルフについての風聞を披露する。
それは、この世界の人々が古くから言い伝えてきた事であり、何ら確証に基づくものではない。
「…でもウルフ……まだ滅ぼされてないよ。この村も…人間全ても…」
「それは…その…」
リュカは優しく微笑みながらウルフの頭を撫でる。
「そんな思いこみだけで敵対しないでさ、仲良くなる努力をしようよ。………エルフの里かぁ……楽しみだなぁ」
「?…リュカはん…何が楽しみなんや?ウチ、少しばかりビビッとるで!」
よく見るとアルルとハツキも、エルフへの恐怖で表情が若干引きつっている。
しかしリュカは気にすることなく語る。
「エルフってさぁ…美人が多いんだよねぇ。しかもエルフは男の子の出産率が低いんだって!まぁその分長寿でカバーしてるみたいだけど…」
「それの何が楽しみなの?」
「つまりだ、ウルフ君!そのエルフの里は美女だらけって事だよ!僕の知り合いのエルフも、頭は緩いけどすごい美人だもん!」
常人とは異なる思考回路でものを語るリュカ…
下手に手を出したが為に、物事が厄介にならないか、不安になる4人…
トラブルの予感は尽きません。
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