黒魔術-Dark Majic- Part2/狙われた者たち
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「聞いたかシュウ!憐!愛梨ちゃん!ミスコンだぜミスコン!」
屋上で昼食をとっていると、尾白がかなり興奮していた。学園祭でミスコンが復活する。尾白だけでなく、在学している多くの男子たちが大盛り上がりだった。
「ミスコン?うちにそんなのあったの?」
「へ、へぇー、そうなんだ…」
「…」
だが尾白と違って三人の反応は薄い。特にシュウは無表情なためか、全然興味無さそうだ。
それよりも、昨日の戦いの被害状況の方が気になるくらいだが、見たところ憐たちに被害はなくて安堵した。
「反応薄!?ミスコンだぜ!しかも参加者に、噂の美少女転校生ルイズと、2年生のマドンナであるキュルケの二人の参加が確定しているんだ。見逃すなんてできないぜ!」
「だからといって俺たちになんの関係があるんだよ」
「…あーもう!そんなんだからお前面白くないんだよ。もっとさ、色んなことに興味持てよ。機械ばっか弄ってないでさぁ。なんだ?お前の嫁は愛梨ちゃんじゃなくて機械仕掛けのオーダーメイドフィギュアか!?」
「…シュウ、私という女がいるのに…」
「人を隠れて哀願人形遊びに浸る変態に仕立てるな。尾白だろ、そんなのは」
「てめぇ!」
シュウの言い返しに尾白が反論したところで、ガタン、と屋上の入り口の扉が開かれた。
シュウは思わず、またあの二人が喧嘩のために来たのかと思ったが、違った。
来たのはティファニアだ。
「はぁ、はぁ…」
妙に彼女の意気が上がっている。何かから逃げてきたのだろうか。そう予想していると、彼女はこちらに気がついて駆け寄ってきた。
「先輩、ちょうどよかった!助けてください!」
「え、なにかあったの?」
目を丸くする憐に、テファはここまで急ぎ足できた理由を明かそうとすると、再び屋上へ駆け上ってくる誰かの駆け足の音が聞こえてきた。
「あ、もう来た!先輩、お願いします!」
足音を聞いたとたん、彼女はそそくさに屋上入り口の後ろへと隠れる。一体何に追われているのかと思っていると、またしても大きな音とともに来訪者が訪れた。それも一人ではなく、大人数の男子。
「すみません!こっちにティファニアさんが来ませんでしたか!?」
「………」
シュウ、憐、尾白、愛梨は顔を見合わせる。おそらく彼女は、この男子たちから逃げてきたのだ。でも、あの人畜無害そうなティファニアが悪さをして逃げる、なんてイメージはとても沸かない。どうもこの男子たちから
「…こっちには来ていない」
「そ、そーすか…あざっす!」
「こっちには来てなかったのか…おい、引き返して探すぞ!」
男子生徒たちはここに捜し求めていたテファがいないと聞いた途端、そろってきびすを返して屋上から去っていく。足音が遠ざかっていくと、テファがふぅ、と安心のため息を漏らして顔を出してきた。
「あ、ありがとうございます
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