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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
黒魔術-Dark Majic- Part2/狙われた者たち
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だろ。自分に向けられたかもわからないのに、いちいち真面目に受け止めるとは、変なところで素直だ。

―――忘れたの?

また声が聞こえてきた。誰の声だ?もしや、自分に問いかけてるのか?誰が何のために?
疑問が頭の中をよぎると、道の前の方から足音が聞こえてくる。
シュウの目に映ったのは、同じ年齢くらいに見える少女だった。薄い白いワンピースを着込み、肩にかかるほどの茶色の長い髪の子だ。
(誰だ…?)
会ったことがない。だが、なぜだろう…

俺は彼女を知っている気がする。

―――目を覚まして

虚ろな目で彼女はシュウにそう告げた。

―――あなたは狙われている

「狙われている?」
意識がはっきりしているこちらから見たら、そっちが夢遊病にでもかかっているのではと思える言動。新手の変人か?
「きゃあああああ!!!」
突如、少女の向こう側から悲鳴が夜空に響いた。これはただごとではない。
今自分の前にいるこの少女も怪しいが、今は現場に急行した方が先決だ。
シュウは少女とすれ違い、走り出した。すれ違ったとき、茶色の髪の少女が、
去っていくシュウに、どこか辛いものを抱え込んでいるような目を向けていたことに気づくことはなかった。




悲鳴が聞こえた場所は、孤児院の近くにある工事中の建物の敷地内からだった。
「いやあああああ!!」
その悲鳴の主は、キュルケだった。彼女はどういうわけか、空中に放り出されていた。
…というより、空に向けて吸い寄せられていた。そしてその後ろの空に見えるのは、
不気味さを露骨に表している巨大な影。
「あいつか!」
シュウはすぐに、ウルトラマンの変身者として与えられた銃『ブラストショット』を影に向けて発射した。一発だけじゃ足りない。さらに二度三度と連射すると、その影は光弾をその身に受け、消え去った。
「ああああああああ!!」
キュルケが浮力を失ったためか、落下してくる。まずい!影を消し去ったのはいいが、このままでは地面に激突する。あのキュルケという恋多き女の事だ。後でいろいろ言い寄ってくるだろうが、命の危険にさらされている時にそんなこと言ってられない。すぐにシュウは彼女を下から受け止めようとしたところで、シュウの近くから新たな声が聞こえた。
「「レビテーション!」」
瞬間、落下中のキュルケの体がふわっと空中に浮き、少しずつゆっくりと降りて行った。
「先輩、ご無事ですか!!」
「キュルケ…!!」
来たのはクリスとタバサ、『ナイトレイダー』に所属している二人だった。浮遊の魔法でキュルケの落下を防いだのだ。
「あぁもう、酷い目にあったわ…でも助かったわ、二人とも。それに…先輩はやはり素敵なお方ですわ!やはり私、あなたのことが…!」
思わぬ目にあったことにげんなりしつつも
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