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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
黒魔術-Dark Majic- Part2/狙われた者たち
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…助かったぁ…」
「ティファニアちゃん、なにかあったの?」
「…はい、実は…」
大勢の男子から美少女が逃亡。おそらくろくでもない展開の可能性がある。尾白から尋ねられ、テファはなぜああまで急ぎ足で男子たちから逃げたのかを明かした。
「ミスコンへの参加をせがまれた?」
「はい。私は何度も断ったんですが、そのたびに男子生徒のみんなが、土下座までしてミスコンに参加してほしいって…それで…」
なるほど、とシュウは納得した。スタイルも用紙も抜群で性格も優しさに溢れている。妬ましく思っている者を除けば、男女共に彼女と仲良くしたいと思えるだろう。だがテファは大人しい少女だ。ミスコンの出場なんて目立つことを好むはずがない。出場したらしたで、男たちが彼女を今以上に放っておくわけがない。かえってどこかで身の危険にさらされるのではないか。
(って、なんでわかりきったような解説を頭の中に浮かべているんだ、俺は…)
テファとはまだ出会って間もない。その割に自分は、彼女のことをよく知っているような感覚を、シュウはまたしても抱いた。
「そっかー…そりゃ逃げたくもなるよな。大人数で出てくれって頼まれたら」
厄介な事態に巻き込まれたテファに、憐は同情する。
「尾白君、本心では絶対にティファニアさんにミスコンに参加してほしいって思ってるでしょ」
ジト目の愛梨から指摘を受け、思春期真っ盛りな尾白はう…と息を詰まらせた。その反応を見て、ティファニアも明らかに引いており、尾白から一歩下がった。
「やめてその反応!なんか容疑者扱いされたみたいですげぇ傷つく!」
飛び切りの美少女から危険人物扱いされるという事態に、尾白のガラスのハートは砕かれかけた。
「大変だな〜、この調子だと明日からも催促されるんじゃないの?」
憐が、この後もテファがミスコン出場を促がされることを予感する。それを聞いてテファはえぇ!?と身を震わせた。
「そんな、困ります!私がミスコンだなんて!第一、私はみんなが思っているほどの女の子じゃ…」
そんなことを言うが、異性にさほどの執着を抱かなかったシュウの目から見て、テファは魅力的な女性として認識できた。だからといって自分がお近づきになりたいという発想までは抱いていないが、男たちがこのまま彼女を野放しにするとは思えない。
シュウは解決案をテファに提示してみた。
「先生か会長に進言した方がいいだろう。あそこまでの執着があると、次は強要される可能性も否定できないぞ」
「えっと、大丈夫でしょうか…あの人たち、先生たちからも注意を受けたんですけど、今度は先生たちの隙を突いてまた頼みに来るんです」
「そうか…」
簡単にはいかなそうだ。直接あの男たちに注意を入れても、上辺だけの了承をするだけして、また目を離している間に…ということもありうるというわけだ。

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