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人理を守れ、エミヤさん!
陰謀と冒険の匂いだね士郎くん!
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だということ。キャスターがどうしているか不明である中、もしばったり出くわしてみろ。一発で言葉にするのも憚られる悲惨な目に遭うことになる。

「まあいい。お前の利かん気の強さはよくよく思い知ってるんでな。悪いが実力行使させて貰う」

 凛の友達とやらは後で探してやるとする。
 素早く凛の腰を抱き、そのまま担ぎ上げた。

「なっ?! ど、どこ触ってんのよ変態! 変態! 変態!」
「誰が変態か! 親切に家まで送り届けてやるんだ、大人しくしろコラァ!」

 凛を抱え、肩に担ぐと盛大に暴れまわり謂れのない罵倒を受けた。俺は遺憾の意を表明するも、それは悪手であった。
 人気は少ないと言っても街中である。偶然にも騒ぎを聞き付けた誰かが叫んだ。

『た、大変だぁ! 子供が変質者に拐われそうになってるぞ!』

「やばっ」

 俺は咄嗟に強化の魔術を脚に叩き込み、脱兎の如く駆け出した。
 乗用車並みの速度で急に走り始めた俺に、凛は悲鳴をあげてしがみついてくる。霊体のまま並走してきたクー・フーリンが揶揄するように言った。

『客観的に見て絵面がまるっきり変質者だぜ、マスター』
「煩い! わかってるんだよそんなことは!」

 苦虫を噛み潰した貌で吐き捨て、俺は大いに嘆いた。なんだって、どうしてこうなった!?
 畜生、特異点復元したらなかったことになるんだから見捨ててれば良かった! ――ああでもだ、知った貌を見捨てられるほど薄情にもなれないんだよ!

『ははははは』
「クッソがぁ!」

 面白そうに笑うクー・フーリンに俺は悪態を吐くしかない。俺は記憶にある遠坂邸にまで凛を持ち運び、すっかり悲鳴を上げ疲れてぐったりした凛を、遠坂邸に乗り込んで送り届けた。

「へいお待ち! 娘さん一丁!」
「なっ!? り、凛!? 貴様凛に何を!?」
「うるさい黙れ似非優雅の顎髭野郎! 娘の監督も出来ずに優雅ぶってんな糞野郎!」

 遠坂邸の主にばったり出くわした俺は、もう叫ぶしかなかった。











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