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人理を守れ、エミヤさん!
陰謀と冒険の匂いだね士郎くん!
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試す意味合いもある。本命じゃないから、危険だと思えば介入してくれ」
「応。念のため見切りをつけるのは早めにする。そっちの都合が巧く行かなくてもキレんじゃねぇぞ」
「その場合、ランサーは俺の命の恩人になってる訳だ。キレるわけないって」

 苦笑して俺は言う。流石にそれは逆恨みと言うものだ。それに、温厚な俺をキレさせたら大したもんですよ。――と、不意に一人の少女が夜の街を、魔力計を手に彷徨いているのを視界に捉えて。

 俺は発作的に怒号を発した。

「そこの小娘ェ! なぁにをしてやがるかこの戯けがァッ!」
「ひゃっ」






 所は夜の公園。思い出遥か、とは言い難い因縁の存在。目の前で膨れ面をしている幼き日の遠坂凛に、俺は心の底から溜め息を吐いた。
 ニヤニヤと笑いながら見守るクー・フーリンは、当たり前だが霊体化している。
 俺は影ながら聖杯戦争の神秘秘匿を担当する魔術協会の魔術師を自称していたが、流石に無理のある設定だと思う。が、どうにも幼い凛は素直な面があるらしく余り疑ったりはしなかった。
 ロンドンの冬、二度も俺を橋から落としてくれたあの悪魔が、随分と無邪気なものである。

「で。遠坂の令嬢が、どうしたってこんな時間に、こんな場所を彷徨いてる?」
「……別になんだっていいでしょ。あんたなんかに関係ないんだから」
「関係は大いにある。君が聖杯戦争に巻き込まれ死亡した場合、その後始末をするのは俺だからな」

 俺がそういうと、ロリ凛は怯んだように身構えた。少し言葉が強いが、これで素直に帰ってくれたらいい。子供大好き殺人鬼に見つかってたら大事だ。俺としても寝覚めが悪くなる。

「……家まで送ってやるから、大人しく帰れ。今は子供の時間ではないんだぞ」
「い、嫌よ! わ、わたしにはやらなくちゃなんないことがあるんだから!」
「あー……」

 幼いとはいえその気性はそのままか。道理を説けば聞ける利発さがありながら、聞き分けが悪いのは例の心の贅肉故だろう。どうせまたぞろお人好しの虫が騒ぎだしたに違いない。

「友人でも探してるのか?」
「えっ!? な、なんで……!?」
「顔に書いてる、困ってる奴助けなきゃー、ってな」

 嘆息して、俺は天を仰いだ。

「『お父様は忙しいし遠坂としてわたしが探さないと』?」
「!?」
「……ばか。圧倒的おばか」
「な、何よ! ばかって言った方がバカなんだからね!? ていうかなんで分かるの?! わたしになんか魔術使った?!」
「使ってたらそもそもこんな問答するわけあるか」

 そもそも使えないというね。魔術師としては二流止まりが俺だ。現時点の遠坂凛にすらレジストされかねないという。
 別にそれはいいのだ。問題は本当に凛の年頃で夜中を出歩くのが危険
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