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人理を守れ、エミヤさん!
安定のスルー力だね士郎くん! & 割と外道だね士郎くん!(二話合併版)
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雄王、バーサーカーが集った四つ巴戦が行われたのだ。
 士郎は幸薄き故に、危険察知からの離脱が早いのが混戦を避けられた要因である。後に、それをロマニに指摘された士郎は泣きそうになったという。














『――今朝のニュースです。昨夜未明、偽札を使用し無銭飲食を働いた住所不定無職の外国人男性、ロマニ・アーキマンが逮捕、拘留されました。犯人は「畜生覚えてろあの野郎」などと供述しており、事態の真相を追って取り調べを進めて――』

 ぶふぉ、と。飲んでいたモーニングコーヒーを噴き出し、俺は思わず咳き込んだ。
 ホテルの一室である。何気なくテレビを眺めていたら放送されたニュースに、流石に噴き出さざるを得なかった。

『何をやっている、貴様……』

 丁度通信を繋げ、連絡を取り合っていたカルデアから、アグラヴェインの呆れ声が届いた。

「いや普通気づくだろ。あの時点で俺が1990年代の日本の通貨を持ってる訳ないって」

 年代を考えろ。この時間軸から十年以上先の未来の通貨だぞ。しかも俺の活動域に日本は含まれていない。寧ろカルデアに入った時点で手持ちに日本円があったこと自体が奇縁だったというのに! 普通ギャグ、ユーモアに決まってるだろう……! 本気で使う奴があるか……!?
 魔術王なら気づく! それでなくても常識があれば気づく! 常識がなくても頭が回れば気づく! ロマニはあれで有能だから気づかないとおかしい! というか無能でも分かるぞ!?

「陰謀だ。間違いない」
『誰を嵌めるためのどういった陰謀だ』
「分からん。流石は叡智の王、全くその意図が読めん……」

 これは、警戒が必要だな。密かに警戒心を高める俺に、アグラヴェインは露骨に嘆息した。

 クー・フーリンには今、周囲の偵察を頼んでいるため密室に一人きりだ。念のため切嗣と同じ顔を見つけたらサーチ&デストロイを頼んである。
 敵がアインツベルンで、アルトリアが鞘持ちであること、ランサー陣営を潰し成り代わったことなど、今後の方針についてもカルデアには話してあった。ダ・ヴィンチやアグラヴェインからもGOサインは出ている。後は慎重に動くだけのはずだったのが、先ほどのニュースにより色々気分が台無しとなってしまった。

『私にもロマニ・アーキマンの意図は掴めんがあれは味方だろう。貴様の不都合になる動きは取らないはずだ』
「ばかめ。あれは空気が読めない男だぞ。素で何を仕出かすか分かったもんじゃない」

 アグラヴェインの背後でダ・ヴィンチが噴き出して笑い声を上げた。的確だね士郎くん、と太鼓判を押してくれた。

「まあいいや。それより何か話があるから定時でもないのに連絡を入れたんだろう。用件はなんだ? まさかネロに何かあったんじゃ
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