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人理を守れ、エミヤさん!
安定のスルー力だね士郎くん! & 割と外道だね士郎くん!(二話合併版)
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がるとはいい度胸じゃねえかよ」
「……ふむ。反応からするに、うぬはそこなマスターに忠義を誓っておるのだな」
「応よ。生前通して得られなかった理想の主って奴だ。槍に懸けて忠誠を捧げたこのオレが、ちっちゃい野心を掲げるテメェなんぞに膝を屈するなど有り得ねぇな」
「余の野心が『小さい』とな!?」

 小さい。そのように評されたことがライダーの矜持を傷つけたのか、ライダーの目から稚気が消えた。
 腹を据え、ライダーが覇気も露に問う。

「では聞かせて貰おうか! うぬのマスターの野心とは何かを!」
「は。答える義理はない……が、それでマスターを小さく見せたんじゃオレの沽券にも関わる。いいぜ、その耳かっぽじってよく聞きな。オレのマスターはな――この世の糞溜めも、日溜まりも、丸ごと引っくるめた全部の歴史を保障すんのさ。目の前の世界しか見えてねぇテメェと比べることすら烏滸がましいんだよ」
「――なんと」

 ライダーが、呆気に取られる。目を丸くして士郎を見た。
 眼中になかったマスターが、そんな存在だとは想像もつかなかったのだ。クー・フーリンの言葉に偽りは感じられず、その言葉の意味の半分も捉えられなかったが、スケールのデカさは伝わった。

 そしてそれは、ライダーに重々しく受け取られる。

 征服する星の歴史の保障。ライダーは、そこに敗北を見た。ぬぅ、と呻き、腕を組んだ。
 セイバーやアイリスフィール、ウェイバーにはなんの話かも分からない。しかし、ランサーの言葉に真実が宿っているのは伝わった。そのために誰も馬鹿には出来ず、法螺吹きとも謗れなかった。

「喋りすぎだぞランサー」
「っと、出過ぎたか。すまねぇなマスター」
「いいが。それよりさっさと退くぞ。嫌な空気だ」
「待てランサーのマスター!」

 何やら嫌な予感を得た士郎に促され、クー・フーリンは撤退を了承する。
 それに待ったを掛ける征服王。だが、士郎は足を止めなかった。クー・フーリンに言う。

「俺はあの手の輩をよく知っててね。たとえばウルトラ求道僧とかな。ああいう手合いに付き合えば、最悪の騒動に遭うのもざらだ。関わる方がマズイ。ウルトラ求道僧に付き合ったせいで、またぞろ魔性菩薩とかと出くわす羽目になるのは御免だぞ」
「あー、なんのことかは知らんが、言わんとすることは分かった。なるほどな、確かに騒ぎを大きくする奴ってのはいるもんだ」

 ランサーは女王メイヴを思い出す。なるほど確かに、さもありなんと頷かざるを得ない。
 征服王の制止を完全に無視して士郎とクー・フーリンは倉庫街より離れていき、場の空気を完璧に無視出来る士郎は思った。

(あー、ライダーとセイバーで潰し合ってくれたら楽なんだけどなぁ)

 士郎は自身の判断が英断だったことを後で知る。英
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