Lv66 王子の決意
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に知らぬ。そもそも、精霊界から天界には干渉できんのでな」
この感じだと、本当に知らないのかもしれない。
と、そこで、アヴェル王子が弱々しく、ボソッと呟いた。
「雲を掴むような話だ……世界樹なんて御伽噺に出てくる話じゃないか……」
アヴェル王子はそう言って肩を落とし、溜息を吐いた。
希望が持てないのだろう。
(まぁいい、この話は後にしよう……今はもっと他の事を聞いておかねば……)
俺は質問を続けた。
「ラーさん……話を戻すが、陛下の呪いはシャナクでも解けないのか? それと、他に同じ症状が出ている者は?」
「呪いは魂と深く結びついているから、無理だ。進行を遅らせることくらいはできるが、止める事は出来ぬ。それと、この者以外に、同じ呪いを施されているのが、あと2名いる」
「やはり、いるのか……」
ヴァロムさんが誰かを答えてくれた。
「アルシェス殿下とナバル大臣だ。2人はまだ陛下より軽い症状だが、何れ同じような事になるとラーさんから聞いた。予断は許さぬ状況じゃ」
「そうですか……」
アズラムド陛下は悔しそうに顔を歪ませた。
「奴等はアルシェスまでも利用した……我々は……奴等に良いように使われてしまったのだ……クッ」
予想はしてた事だが、やはりアルシェス殿下も呪いをかけられていたようだ。
「ラーさん……治療する方法はあるのか?」
「あるにはある」
それを聞くや否や、アヴェル王子はラーの鏡に詰め寄った。
「な、治せるのですか! 一体、どうすればッ! 教えてください! どうすればいいのですか!」
「今言った世界樹を目指すのだ。そこで『世界樹の葉』を手に入れるがよい。死者をも蘇らせる世界樹の力ならば、この者を蝕む魔の瘴気も打ち払えよう」
アヴェル王子はまたガクリと肩を落とした。
「世界樹の葉……そんなモノが本当にあるというのですか。先程仰られた世界樹の話、私にはどうしても信じられません。大体……ラー殿ですら世界樹を見た事がないのに、どうしてそんなモノがあると言えるのですか」
まぁこの反応は当然だろう。
だが、ここは希望を持たせる為にも、俺の実体験を話す必要がありそうだ。
「ありますよ、王子。世界樹の葉は確かに存在します」
アヴェル王子は怪訝な顔を俺に向ける。
「コータローさん……なぜそう言い切れるんですか?」
「言い切れますよ。なぜなら、俺はその力によって、アシュレイアとの戦いの最中、生き返れたのですからね」
アヴェル王子は目を大きく見開いた。
「えッ!? そ、それは本当なのですか!」
「ええ、本当ですよ。なぁ、ラーさん?」
「コータローの言っている事は本当だ。こ奴はあの時、死んでいたのだからな。だが、世界樹の葉を1枚持っていたお陰で、奇跡的に蘇る事が出来たのだ」
「そういう事です
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