Lv66 王子の決意
[9/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
か……あの屈強な魔物達と戦って……」
王子の顔は俯いたままであった。
その表情はまるで、死刑宣告でもされたかのように暗い。
アシュレイアの威圧感は相当衝撃だったのだろう。
希望すら見えなくなるほどに……。
「確かに……魔物達は恐ろしく強い。それに引き換え、今の我々はあまりに無力です。ですが……我々は、まだまだ知らないこと……いや、知らなければならないことが沢山あります。魔物達は強大ですが、絶対ではありません。必ず、付け入るスキや方法があると思いますから……」
俺はそこで言葉を切り、ラーのオッサンに話を振った。
「なぁ……そうなんだろ、ラーさん?」
「ああ、その通りだ」
アヴェル王子は顔を上げた。
「それは……本当なのですか?」
「うむ。但し、その道は険しい。ダーマ神殿で得られる力だけでは……奴等に相対する事は出来ぬであろう。しかし、方法がないわけではない」
「言ってくれ、ラーさん」
「この世界のどこかに……ミュトラの加護を受けた聖なる武具がある筈だ。まずはそれを探すがよい。それらの武具の力を借りねば、奴等と相対する事は出来まい」
なんか知らんが、ドラクエの中盤っぽい展開になってきた。
恐らく、ロト装備や天空装備みたいな伝説級の武具があるんだろう。
ゲームならテンション上がるところなんだろうが、正直、そんな気分にはなれない。
「場所は知らないのか?」
「残念だが、我にはわからぬ……だが、精霊王リュビストは以前、こんな事を言っていた……審判を司る天界の王・アレスヴェインがそれらの在処を知っていると……」
このオッサンの言い回しから察するに、自分が精霊王であるという事は隠しておきたいのだろう。
後日、誰もいない時に問い質してやる。
「へぇ……ちなみに、そのアレスヴェインて存在は、どこにいるんだ?」
すると凄い反応が返ってきた。
【さぁ】
「……」
俺達は無言になる。
一瞬、時間が止まったかのような錯覚を覚えたのは言うまでもない。
「さぁって……アンタな……もっと何かないのかよ。せめて手掛かりとか……」
「手掛かりか……おお、そういえば……アレスヴェインがいる天界は、この世界の者達からは見えぬそうだ。あと、そこに行くには世界樹を登らないと行けぬと聞いた事がある」
アイテムとして世界樹の葉があったから、なんとなくその存在は予想してたが、ここでその名前が出てきたか。
「世界樹ね……で、場所は知らないんだな?」
「ああ。だが、これには理由があるのだ。世界樹は同じ場所に根差しておらず、常に動いていると聞いた事がある。そして……ミュトラに認められし者にしか、その姿を現さぬとな……つまり、世界樹は我等精霊でも見る事は出来んのだ」
「他は?」
「残念だが、これ以上の事は我も本当
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ