Lv66 王子の決意
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にいる皆様方は存じている事と思いますが、ラー殿の助けもあり、ようやくその謎を解くための足掛かりが見えてきましたので、この場でそれをお話ししたいと思います」
それを聞き、ここにいる者達は皆、ざわついた。
【何ッ、それは誠か、オルドラン卿】
【して、その足掛かりとは如何なるモノなのだ】
ヴァロムさんは書物に目を落とし、静かに話し始めた。
「これは半年ほど前に、私が手に入れたイシュマリア誕生以前の古代の書物なのですが、ここに記述されております古代リュビスト文字を解読しますと、こうなります。―― 大いなる力を封じし古の神殿・ダーマ……マールドアの大地を抜け、べルミナの谷の奥深くにて静かに眠る……今は訪れし者をただただ待ち続ける……但し、その道は容易ならず……辿り着けるは、九つの鍵とラーの鏡を携えし者のみ……鍵と鏡なくば、ダーマは姿を現さぬ ――と」
ソレス殿下がそれに反応する。
「マールドアの大地を抜け、べルミナの谷の奥深く……それはもしや、ベルナ峡谷の事ではないのか?」
「ソレス殿下の仰る通りです。この書物に記述されているのは古代の呼び名でありますので、これを現代の言葉でもう少しわかりやすくしますと、マルディラントを抜け、ベルナ峡谷の奥深くに古の神殿ダーマは眠るとなります。この解釈で、まず間違いないでしょう」
他の太守の1人が訊ねる。
「では残りの部分はどうなるのだ? ラーの鏡はわかるが、九つの鍵というのは……」
「ええ……問題はそこなのですが、実はラー殿のお陰で、その謎がようやく解けそうなのです。しかし……それは、王家と八支族の皆様の協力がなければ、できないことでもあります」
太守達は互いに顔を見合わせた。
「我々の協力がなければできぬ事……それは一体……」
ヴァロムさんは太守達の顔を流し見た後、目を細め、彼等に告げたのであった。
「九つの鍵……それは、イシュマリア王家と八支族が管理されている九編からなるミュトラの書でございます」と――
[U]
極秘会談が終わった後、俺とアヴェル王子は、ヴァロムさんにこの場に残るよう言われた。
ヴァロムさん曰く、アズラムド陛下が俺達2人に話したい事があるそうだ。
他の皆がこの部屋から退室したところで、俺と王子は、陛下の近くにある椅子に座るよう、ヴァロムさんに促された。
ちなみにだが、この部屋に残っているのは、陛下とヴァロムさん、それから俺とアヴェル王子の4人だ。
俺達が椅子に腰掛けたところで、アズラムド陛下は咳き込みつつ、話を切り出した。
「すまぬな、コータロー殿……ゴホッ……まだ戦いの傷が癒えていない中、時間を割いてもらい……ゴホッ、ゴホッ」
「お気になさらないでください、陛下。ここ数日の安静の甲斐もあり、私はかなり回復致しました
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