Lv66 王子の決意
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のアシュレイアという魔物は、魔導騎士や雷光騎士が総がかりで戦っても歯が立たないと思われます。下手をすると、傷1つつけれないかもしれません。それほどに強大な力を持つ魔物でした。先の戦いで……我々はあまりに無力だという事を痛感させられました」
続いて、ウォーレンさんも。
「将軍……今の我々では……到底、奴等にはかないません。今回、あの強大な魔物達を退けられたのは、リュビストの結界を発動出来た事に加え、ヴァロム様とコータロー殿の機転……そして度重なる幸運による賜物です。まともに戦っていたら……今の我々は無かったでしょう」
「そうか……クッ」
ヴァリアス将軍は悔しそうに顔を顰めた。
この場に更なる重苦しい空気が漂い始めた。それはまるで、窒息するかのような息苦しい空気であった。
と、そんな中、アズラムド陛下がその空気を粉砕するかのように、威厳ある言葉を発したのである。
「アヴェル達の言う通り、魔物が強大なのは事実であろう……だが、先の戦いで魔物達の侵攻を防ぐ事ができたのも、また事実だ。これが意味する事は、我等にも希望があるという事である。悲観はするな。だが、魔物達はこれからも、我が国……いや、この世界に対し、あの手この手と仕掛けてくるに違いない。今後は、それを踏まえた対応を我々もせねばならぬ。何れにしろ、皆が一致団結せねば、この事態は乗り越えられぬであろう。それを心に刻み、我等は事にあたろうではないか」
「陛下の仰る通りでございます」
「我々は弱気になっておりました」
アズラムド陛下の言葉を聞き、この場にいる者は皆、首を縦に振る。
皆の表情から、先程の暗さは少し消えていた。室内に漂っていた重い空気も若干和らいだ感じだ。
流石は国王陛下である。俺が同じことを言っても、こうはならないだろう。
「我等が怖気づいては民達は付いてこぬぞ。常に希望を持つのだ。さて、それで話を戻すが……先の一件……私もコータロー殿と同じ意見である。コータロー殿が言われた通り、今はこのままにしておくということで良いかな? 異論のある者は手を上げてほしい」
手を上げる者は誰もいなかった。
「うむ。だが、これに関しては、くれぐれも他言無用でお願いしたい。我々だけの秘密だ。よいな?」
ここにいる者達は皆、無言で首を縦に振る。
「ならば次に行こう。それで……先ほど言った希望についてだが……これについて、オルドラン卿から皆に話があるそうなので、お聞き願いたい。では、オルドラン卿、よろしく頼む」
陛下はそう言って、ヴァロムさんに目配せした。
ヴァロムさんは頷くと、懐から古びた巻物を取り出し、それを広げた。
それは、俺が以前見たダーマ神殿とラーの鏡が描かれた書物であった。
「私が陛下の意を受け、王家に代々伝わる大いなる力の伝説を調べているのは、ここ
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