猫娘と神野区異変編
NO.090 供給過多
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
0年分を一気に送り込まれてしまい、それはすぐに効果を発揮した。
「ああぁあああああああ!? なんだ、なんだこれは!? まるで体が四散してしまいそうだぞ!!?」
「もうあと一押しってところかな……?」
さらに出久は追加で50年分の生命力を送り込んだ。
それでついに、オール・フォー・ワンは頭の中でなにかが破裂するような感覚を味わった。
地面に両膝をつきだして、うわ言のように、
「ぼ、僕は誰だ……? 一体……いや、僕は“オール・フォー・ワン”だ! 悪の帝王なんだ……!! だが、そもそも……そもそも……何をして、何をもって……?」
と、まるで錯乱しているかのように意味不明な事を呟きまくっていた。
それで用は済んだのか出久はオールマイトの隣まで脚力強化で瞬時に移動をして、
「フフフフ……これでもうオール・フォー・ワンは終わりだね」
「これは一体……!? オール・フォー・ワンの身にいったい何が起こったんだい!?」
「いいよ、教えてあげる。訳1000年分の生命力を一気に送り込んで『魂』という器がその生命力の量に耐えきれずに破損して零れだしてしまったんだよ。自らの魂に刻まれている記憶とかも一緒に、ね……」
「それは……」
オールマイトはそれで苦い顔になる。
それは、なんと恐ろしい事か。
つまり今のオール・フォー・ワンは廃人に近い状態だという訳だ。
「……それじゃ、オールマイト。後の始末はお願いしていいかな? そろそろイズクが個性の縛りが消えて目覚めてしまうかもしれないから……」
「始末……とは?」
「きっと、まだ完全に記憶が抜け落ちるまでの間に悪あがきをすると思うから」
出久の言葉通り、オール・フォー・ワンは一回オールマイトの方へと顔を向けたと思ったら、
「おぉ! おおぉおおお!! オールマイトぉぉぉ!! そうだ! 僕をこんな目に合わせた憎っくき敵!!」
ついにはオールマイトの事をヴィランと言い出し始めるくらいには倒錯してしまっている。
そして、オールマイトという目標を持ったオール・フォー・ワンは個性を高めているのであった。
「オール・フォー・ワン……哀れな姿だ。私が今度こそケリをつけてやろう。君はもう逃げなさい」
「うん」
そう言って出久はその場から飛び跳ねて姿を消した。
「(あっ! 出久!!)」
「(デクちゃん!!)」
それに気づいた爆豪達も出久の飛んでいった後を追ったのであった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ