猫娘と神野区異変編
NO.090 供給過多
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るはずだ。君以前の先代七名から細々と繋いできた僕という脅威を打ち倒すためのタスキだろう? それをまだまだ覚悟が完璧じゃない彼女に引き継がせてしまったのは君の失態だろうな」
そう言ってオール・フォー・ワンは薄く笑う。
だが、オールマイトはそれを即座に否定する。
「そんな事はない! 緑谷ガールは私の後を引き継いで次の『平和の象徴』になりえる力を秘めているからだ!」
「それは……フォウの力も含めてのことかな?」
「ッ!」
それでまたオールマイトの表情が険しくなる。
「図星のようだね。いいかい? 君が思っているほどフォウとその個性は簡単なものでもない。初めて彼女と戦った時は個性の数という暴威がなければ僕も負けていたかもしれないからね。いや、首輪をするのには苦労したものだよ……」
そうしみじみと語るオール・フォー・ワン。
オールマイトはそれでフォウはどれだけの強さを持っていたのだ!?と戦慄の感情を抱く。
そしてマスクで見えない口元でオール・フォー・ワンはニヤリと笑みを浮かべて、
「……だが、今こうして『フォウ』と『ワン・フォー・オール』を兼ね揃えた緑谷さんが僕の支配下にある。それが意味する事は分かるかい? もう『ワン・フォー・オール』の燃えカスしか残っていないオールマイトぉ……?」
それでオール・フォー・ワンの笑い声が響き渡る。
それを出久が人質に取られているために悔しそうに拳を握りながらも見ている事しかできないでいたオールマイト。
「……さぁて、少しばかり無駄話をしてしまったね。そろそろ僕の傷を治してもらおうかな」
「させな―――……ッ!」
「言ったろう? 今は僕の支配下だって……」
出久の首に手を回してオールマイトに手出しできないようにするオール・フォー・ワン。
そんな事をされてまたしても体を強張らせるオールマイト。
その表情はもうかなりの怒りで燃え上がっていた。
「いい表情だね……オールマイト。そこでじっくりと見ているがいい。僕が『悪の帝王』として返り咲くその瞬間を……さぁ、緑谷さん。“命令だ”。僕の事を治療してくれないかい?」
「…………はい、オール・フォー・ワン」
そこで今まで黙っていた出久が無機質な声を出してオール・フォー・ワンの体に手を触れようとする。
「よすんだ、緑谷ガール!! そんな事をしてはいけない!!」
オールマイトは必死に叫んだ。
だが、一回出久は顔をオールマイトに向けて少し見た。
その瞳は何も映していなかった。
……だが、オールマイトはそこで出久の変化にいち早く気づいていた。
それはそうだろう。
出久の瞳の色は緑色だというのに、今は金色に輝いていたのだから……。
それが意味することは……。
「(信じて、いいんだな……? フォウ
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