ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
3章 穏やかな日々
28話 決闘の行方
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今度はヒースクリフがキリトに突進していく。ヒースクリフと戦うとき、注意すべきはその盾だ。
ヒースクリフの持つユニークスキル“神聖剣”というのは、キリトの“二刀流”の正反対のスキルといっても過言ではない。二刀流が手数、攻撃特化ならば、神聖剣は防御特化。尚且つ、盾に攻撃判定が乗るため、亀のように攻撃を喰らい続けるわけではない。攻撃もできる、防御は岩のよう、まさに最強のユニークスキルだ。
ヒースクリフは、その巨大な盾でキリトに剣筋が見えないように覆い隠している。剣筋が見えないというのは何よりも怖い。どこから攻撃がやってくるのか、想像がつかないからだ。
しかし、それは囮、そのままキリトに盾がたたきつけられそうになり、キリトはなんとか剣でガードするものの、さらなる追撃が襲う。
「流石ユニークスキルを完全に使いこなしてるね」
「しかも、あんな装備であそこまでの速さをたたき出せる上に、ちゃんと攻撃力があるだなんて、ほんとチーターだよなぁ」
敏捷型のツカサはぼやいた。ツカサにとって、攻撃力がないというのは相当苦しいことらしい。
ヒースクリフの8連撃のソードスキルをなんとかしのいだキリトは、その直後、単発重攻撃技、“ヴォーパルストライク”を放つ。ヒースクリフの盾のど真ん中に当たったが、その重さにヒースクリフを弾き飛ばした。
「「お?」」
ヒースクリフのHPは恐らくわずかにであるが減っただろう。初めてキリトの攻撃が通った瞬間だ。
だが、そこからはソードスキルや、斬り合い、弾き合いの嵐だった。撃ち合うごとにスピードが増し、恐らく常人の目ではその剣筋を追うこともままならないだろう。
「すさまじいね…」
「ああ…」
「キリトくん…」
その光景をただ見守ることしかできない。リアは手を軽く握りしめ、アスナは胸の前で手を組んでいる。あの鉄壁の防御に、キリトはよく対応し、戦っていた。それは、単純にキリトの元々の才能もあるが、何よりソロでここまで戦い培ってきた経験と努力あってのことだろう。
そして、その時はやってくる。
キリトはわずかな焦りを見せたヒースクリフにできた隙を見逃さず、二刀流の中で2番目に手数の多い“スターバースト・ストリーム”を繰り出した。
恐ろしい速度だった。上下左右から襲い掛かるその剣を、ヒースクリフは盾で防ぐのに、見るからに精いっぱいの様子だった。キリトの咆哮が、金属のぶつかり合う甲高い音とともにフィールド内に響き渡る。
誰もが一瞬、いけるのではないかと思ったことだろう。
キリトの右の攻撃を受け流すため、大きく振られたヒースクリフの盾。しかし、次の左の攻撃に間に合うような様子ではなかった。
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