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ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
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3章 穏やかな日々
28話 決闘の行方
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「これはすごいね」
「ああ……」

 第75層主街区、コリニア。古代ローマ風なつくりで、アインクラッドの中ではかなり珍しい雰囲気の街だ。アクティベートされたばかりなので、観光客や商人でごった返すのはいつものことなのだが…

「火吹きコーン!10コル!10コルだよ!」
「黒エール冷えてるよ〜!」

 転移門のすぐ前にそびえたつコロシアムの周りは、大量の商人たちの屋台が所狭しと連なり、今までの比ではないほどの人たちがそこに群がって、怪しげな食べ物を購入し、つまんでいる。明らかにいつもと雰囲気が異なる。

 実は今日、これからSAO最大級といってもいいほどの注目を集めるイベントが開かれる。それを見物しに多くの見物客が集まっているのだ。それというのは…

《二刀流使いVS神聖剣、ユニークスキル保持者同士の熱いバトルを見逃すな!》

 この賑わい具合をみる限り、かなり儲かっているようだ。多くの人の間から、チケットを売っている人たちがちらりとみえる。…全員おめでたカラーの白と赤の服に身を包んでいる。言わずもがな、血盟騎士団の人間だ。

 その直後、恰幅のいい、ありえないほどKoBの制服が似合わない男が見えた。…あの人物のしっかりようは、少々怖いぐらいだ。あの嗅覚で、この試合が一大イベントかつ、大量の稼ぎになりえるだろうとかぎつけたのだろう。こればかりは流石といわざるを得ない。



 たくさんの人がごった返している中、いつもとは違う、妙に弱弱しい声が耳に入る。


「悪いリア、ちょっと気持ち悪い…」
「人酔い?、大丈夫?」

 リアはツカサの背中をさすってやる。フードの中のツカサの顔色は少々青い。流石人見知りである。

 この様子だと、観客席も試合が始まるころには満席だろう。それにツカサが耐えられるか…いや、否だ。

「観客席で見ようと思ったけど、キリトがいる楽屋に行く?そこならあの二人しかいないだろうし」
「ごめん、そうしてもらえると助かる…」
「よし、じゃあそっちのほう行こうか」



―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?ー


「というわけで、お邪魔しまーす!」

 楽屋の前に待機していたKoBのメンバーに確認を取り、フードをとりつつ楽屋の中に足を踏み入れる。その中には、いつもの黒コートに、本気モードを現す二振りの剣を背負っている少年。もう一人は、先ほどから見慣れたものになっている、赤と白の服に身を包んだ、髪の長い少女。

 すでにメッセを飛ばし、確認をとっているため、2人に驚いた様子はない。

「よっ、リア姉。ツカサ、大丈夫か?」
「悪いな、迷惑かけて」
「気にするなって」

 がしっと、アームレスリングのような握手を交わす。人込みを避けた途端のツカサの元気のな
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