第八十九話 大坂に戻りその十一
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「実は違ってな」
「確実なか」
「儲けになってるわ、それでな」
耕平は今度は幸正を見て話した。
「こいつもな」
「そうだ、我もだ」
幸正に耕平に答えて言った。
「情報を分析してな」
「正しいところにな」
「商売を進めていっている」
「そうして成功していってるな」
「一歩一歩な、水運を中心にな」
「それで確実に儲けていってるわ」
「もうかなり安定した銭をもたらしている筈だ」
幸正にもこの自負があった。
「違うか」
「その通りだ」
まさにとだ、英雄は幸正のその言葉に頷いて答えた。
「御前の働きも大きい」
「確かに儲けていっているな」
「お陰でな、大坂は前に湖があり河に囲まれている」
「それだけにな」
「水運で成功を収めるとな」
「大きい」
幸正は一言で述べた。
「だからな」
「一つ一つ進めていくか」
「我はな」
「ならそれで頼む、ではな」
「これからだな」
「色々とやってだ」
そうしてとだ、英雄も飲みつつ話した。
「儲けて名声を上げてな」
「そうしてだな」
「大坂を手に入れる」
「それを目指すな」
「まずはな」
英雄はここでまた飲んだ、そしてだった。
そのうえでだ、仲間達に話した。
「大坂を手に入れてだ」
「それからですね」
「はじまりだ」
寺社との折衷に僧侶としてあたっている謙二に答えた。
「むしろな」
「大坂を支配して終わりではなく」
「むしろだ」
「それからですね」
「この島を統一してだ」
そのうえでというのだ。
「その後でな」
「島の統一をですね」
「していってな」
そうしてというのだ。
「世界も救う」
「海の魔神を倒して」
「そうする、まだ色々わからないが」
敵である海の魔神のことにしてもだ、だがそれでもと英雄は言うのだ。
「まずはな」
「大坂を掌握しますね」
「そのはじまりの一歩としてな」
こう言ってだ、英雄は仲間達にこれからのことについての自分の考えを話した。今彼は大坂のことを考えていたがそこから先のことも見据えていた。
第八十九話 完
２０１８・１１・８
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