8部分:第一話 辛い気持ちその八
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
のよ」
「私達と一緒なわけ?」
「なあ」
長月はここで二人に声をかけてきた。
「それでな」
「ええ、それで」
「どうするの?」
「あいつどうするよ」
真剣な顔で問うてきたのだった。
「あいつラクロス部に入るんだけれどよ」
「決まってるじゃない、シカトよ」
「そうよ、シカトよ」
そうするというのだった。
「冗談じゃないわよ、本当に」
「何であんな奴と一緒の部活なのよ」
「だよな。やっぱりシカトだよな」
長月も文月と霜月のその言葉を受けて頷いた。
「あんな奴はな」
「そうそう、無視してやろうよ」
「ちょっと頭と顔がいいからって何よ」
「如月もそれでいいよな」
長月は二人の言葉を受けたうえで彼女にも声をかけてきた。
「あんたもそれでいいよな」
「私も?」
「ああ、それでよくね?」
こう如月に言ってきたのだ。
「それでな」
「そうね」
弥生達に約束した言葉が脳裏によぎった。しかしだった。
長月達との付き合いもある。それに彼女はやはり神無が好きにはなれなかった。その結果長月のその言葉に頷いてしまったのだ。
「わかったわ、じゃあ私も」
「あいつは無視だよ、無視」
「そうね、シカトね」
「あんな奴知らないわよ」
三人は口々に言った。
そしてだ。如月もだった。
「そうね」
「何があっても知らないわよ」
「何でラクロス部に来るのよ」
文月と霜月も言う。彼女達は気付かないうちに入ってはならない道に入ってしまっていた。しかしそれに気付く時は今ではなかった。
第一話 完
2010・6・19
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ