猫娘と神野区異変編
NO.089 オール・フォー・ワン
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マイトが助けに来たというのに微動だにしていない出久の姿が映された。
オール・フォー・ワンはニヤリと笑みを浮かべながら、
「いいねぇ、オールマイト……その表情……実に愉悦の気分に浸れるよ……」
「なにをしたと、聞いている……!」
「そうカリカリしないほうがいい。ただでさえ少ない寿命が縮むぞ? なぁに、ただ僕の命令に忠実になってもらっているだけだよ」
「洗脳か……ひどい事をする」
「フフフ……僕にとっては誉め言葉だよ。予定は狂ったが、こういう状況になったのは僕としても好都合なんでね」
「先生……」
そこでようやく死柄木が口を出せる事ができた。
オール・フォー・ワンは忘れていたみたいに、
「ああ……弔、そうだったね。ごめんよ、別に君を除け者にするつもりはなかったんだ。ただ嬉しくてね。そうだ、もう今回は逃げなさい……道は僕が作ってあげるよ」
オール・フォー・ワンはそう言って謎の黒い樹脂のようなものを指から伸ばして黒霧にそれを突きさす。
「個性強制発動……!」
その瞬間、黒霧のワープが強制的に展開していく。
「先生は!?」
「僕の事はいい……君たちはさっさと逃げてまた再起を図るんだ」
「させんぞ!!」
「おっと、邪魔立てはしないでくれ、オールマイト!」
「ぐぅっ!?」
オール・フォー・ワンは腕を幾重にも増幅させてオールマイトに向けてそれを放った。
そしてオールマイトはいくつもの建物を破壊しながらも吹き飛ばされていく。
「さて、今のうちだ弔……」
「だが、緑谷は……!」
「本当なら君に預けたいのだがね、まだ僕の用が済んでいないんだ。だから今回は残念だろうが諦めようか弔……まだ利用価値があったら緑谷さんは君に預けよう」
「…………わかった。引くぞてめぇら」
「デクちゃん、また会えるよね……? バイバイ!」
そう言ってヴィラン達全員は黒霧のゲートを潜ってその場を後にしたのであった。
「おのれ! オール・フォー・ワン!」
ヴィラン連合全員が消えた後にその場に残されたオール・フォー・ワンと出久。
そこに吹き飛ばされてからようやく戻ってこれたのか、オールマイトが悔しそうに表情を歪めていた。
「さて、それでは邪魔者もいない……君と僕とのちょっとしたショーでも始めようじゃないか、オールマイト……!」
手を広げながらオール・フォー・ワンはそう宣言した。
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