ターン3 蕾の中のHERO
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た枚数1枚につき2000もの特大ダメージが発生していたからだ。無論彼女のライフは、到底それだけの莫大なダメージに耐えきれはしない。
だが、それが決して「はずれ」ではないことを、すぐに彼女は身をもって知ることとなる。
「トラップ発動、バージェストマ・ディノミスクス!手札1枚を捨てて、フィールドに表側で存在するカード1枚を除外する。アタシが選ぶのは当然、アブソルートZero。さらにトラップが発動したことでチェーンして、アタシの墓地からバージェストマ・ハルキゲニアの効果を発動。このカードをモンスターとして特殊召喚する」
「ええっ!?わ、私のヒーローが!」
屍界のバンシーが墓地に送られ、うねうねとした半透明の触手を持つ生物が氷のヒーローに絡みつく。その姿が消えた時、緑色の芋虫状の体から何対もの足らしきものや注水機関を生やす、口はあれど目の存在しない得体のしれない生物が入れ替わるように現れる。
バージェストマ・ハルキゲニア 攻1200
「ですがこの瞬間、フィールドを離れたアブソルートZeroの効果を発動です。相手フィールドのモンスターをすべて破壊……あれ?」
氷結の嵐が吹き荒れるが、氷のつぶてを一身に受けながらもハルキゲニアの体はびくともしない。訝しむ少女を前に、大人げない大人が会心の笑みを浮かべた。
「残念だったな、バージェストマは確かに通常モンスターだが、モンスター効果を受けない能力を併せ持つ。まだまだ行くぜ、屍界のバンシーの効果だ。このカードを除外することで、デッキからあるフィールド魔法1枚を直接発動する」
「あるフィールド魔法……?」
「おうおう、随分久しぶりに見るねえ。現役時代を思い出すよ」
困惑顔の八卦に、どこか嬉しそうな七宝寺。真逆の反応を感じながら、勢い良く1枚のカードをデッキから取り出す。
「生あるものなど絶え果てて、死体が死体を喰らう土地。アタシの領土に案内しよう……アンデットワールド、発動!」
捕食植物オフリス・スコーピオ 植物族→アンデット族
捕食植物ダーリング・コブラ 植物族→アンデット族
バージェストマ・ハルキゲニア 水族→アンデット族
晴れない黒雲、深き血の沼、穢れた空気、病んだ大地。その中央で1人不敵に笑う赤髪の女に、初めて八卦は背筋にぞくりとするものを感じた。それは強者を目の前にした防衛本能のなせる業だったのか、はたまたその光景から感じ取った破滅的な美によるものなのか。いくら才能があるとはいえいまだ幼い彼女には、その感情を言葉に表すすべは持ち得なかった。言葉を失ったまま目の前の光景を呆然と見つめるその耳に、遠く糸巻の声が響く。
「アンデットワールドがある限り、互いのフィールドと墓地のモンスターはすべてアンデット族に書き換えられる。さらにトラ
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