ターン3 蕾の中のHERO
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E・HERO アブソルートZero 守2000
雪の結晶を模した穢れなき純白の衣装に身を包む、ガイアとはうってかわってスマートな第二の融合ヒーロー。しかしその体に秘められた膂力は、ガイアのそれに勝るとも劣らない。なんらかの反撃を警戒してかその表示形式こそ守備表示ではあるものの、その状態であってなお相手を牽制し、威圧するだけの能力がある。
「さらにカードを1枚伏せます。私は、これでターンエンドです!」
アブソルートZero。その姿を前に糸巻は、無性に煙草が吸いたくなった。ポケットに手を突っ込んだところで、観戦中の老人の非難がましい視線に気づきまた手を放す。仕方がないと観念し、デッキトップに手を置いた。
「確かに、こりゃアタシでもそれなりに覚悟しないとキツイかもな……ドロー!」
だが、何も手がないわけではない。ちょっと抵抗された程度ですぐ諦めに入るようなメンタルでは、プロなど到底務まらない。すでに彼女の仕込みは進んでおり、あとはそれがどう実を結ぶかだけの話なのだ。にやりと笑い、伏せてあった3枚のカードのうち1つを表に向けた。
「リバースカード、一撃必殺!居合ドローを発動!手札1枚をコストとして相手フィールドに存在するカードの数までデッキトップからカードを墓地に送り、その後カードを1枚ドローする。さあ、何かあるなら今のうちに申告しときな?」
「デッキ操作もなしに?ギャンブルカード、ですか?」
「いいや、そうじゃない。油断しなさんな、九々乃。『赤髪の夜叉』はあれを起点に、何度も自分の不利を力技で跳ね返してきたんだ」
「えぇっ!?そ、それは失礼しました!私からは何もありません、はい!」
「……なあ爺さん。ちょっといい子過ぎないか、この子。本当に爺さんの血縁かこれ?」
90度に腰を曲げてぺこぺこと頭を下げ、平謝りする姿にまたしても毒気を抜かれる。どうにもやりづらいと文句をつける彼女に対し、問われた本人は軽く肩をすくめたのみで、もはやこの態度にも慣れきったと言わんばかりの調子で答える。
「育ての親は私じゃないよ。それよりほら、何もないって言ってるんだから早く続けたげな」
「あ、ああ。八卦ちゃん、アンタのフィールドにカードは4枚。だから4枚のカードを墓地に送り……ドロー!ドローカードは屍界のバンシー。居合ドロー以外のカードを引いた場合、今墓地に送った数までアタシの墓地のカードをデッキに戻す。今回選ぶのは命削りの宝札、牛頭鬼、燕の太刀、異次元からの埋葬だ」
「た、助かったぁ〜……」
ドローカードを見て、その動きを食い入るように見つめていた八卦がほっと胸をなでおろす。だがそれも無理はない、もし今のドローで同名カードを引いていた場合はその効果によりフィールドのカードはすべて破壊され、墓地に送られ
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