ターン3 蕾の中のHERO
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地面から茨の蔦が伸び、ガイアの巨体を縛り付けて地中へと引きずり込む。除去されるモンスターをその寸前にコストとして利用する、一般的にサクリファイス・エスケープとも称される戦術。
「やるね。でも、燕の太刀には後半の効果がある。デッキから不知火モンスター1体を選び、それをゲームから除外……アタシが選ぶのは不知火の武部。そして武部が除外された場合、プレイヤーはカードを1枚引いたのちに手札を1枚捨てることができる。もっともアタシの手札は0、このデッキトップを手札経由でそのまま墓地に送ることになるがね」
言葉通りに1枚のカードを引き、それをすぐさま墓地へと送り込む。これで互いのフィールドからモンスターは消えたが、いまだ八卦の瞳の炎は消えてはいなかった。彼女に残る手札はオフリス・スコーピオ、そしてエアーマンを含めてもいまだ4枚。
「バトルフェイズを終了します。そして墓地に存在する、薔薇恋人の効果を発動!このカードを除外することで手札の植物族1体を特殊召喚し、さらにこの効果で呼び出したモンスターはこのターンのみトラップの効果を受け付けません。来てください、捕食植物オフリス・スコーピオ!そしてこのカードが場に出た時1度だけ、手札のモンスターを捨てることで私はデッキから別の捕食植物を特殊召喚できます。ロードポイズンを捨てて、ダーリング・コブラを選択!」
サソリのような形をした半動物の植物が両手の鋏を打ち合わせると、それに呼応するかのように地面から毒々しい色の蔦のような特徴を持つ蛇が顔を出す。
捕食植物オフリス・スコーピオ 守800
捕食植物ダーリング・コブラ 守1500
「そしてコブラの効果、か。捻りはないが無駄もない、定石通りの一手だな」
「捕食植物の効果で特殊召喚に成功したコブラは、デッキから融合またはフュージョン魔法カードを1枚サーチできます。私が手札に加えるカードは、ミラクル・フュージョンです。このミラクル・フュージョンをそのまま発動!」
「それにしても、まだ融合する余力が残ってたとはね。若い子はタフだねえ」
「ひひっ、なにせ私が手塩にかけてデュエルを教え込んだ自慢の姪だからね」
「すっかり爺バカになっちゃって、まあ。昔のファンが見たら泣くぜ、爺さん」
呑気なことを外野と喋っている間にも、八卦の融合戦術は進んでいく。ミラクル・フュージョンは場か墓地の素材を除外するという極めて緩い条件からE・HEROの融合を行うことのできる同デッキの切り札ともいうべきカードであり、当然その恐ろしさは彼女自身も身にしみてわかっている。
「私が選択するのはHEROのエアーマン、そして水属性モンスターのロードポイズン。英雄の蕾、今ここに開花する。氷結の大輪よ咲き誇れ!融合召喚、E・HERO アブソルートZero!」
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