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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン3 蕾の中のHERO
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また、チューナーモンスターが……まさか!」
「そのまさかだよ。レベル8の戦神に、レベル2の妖刀をもう1度チューニング!戦場統べる妖の太刀よ、輪廻断ち切る刃を振るえ!シンクロ召喚、炎神(ほむらがみ)−不知火!」

 蹄の音が響き、揺らめく炎が形を成したこの世ならざる幽鬼の軍馬が現れる。そしてその上にまたがるのは、長い銀髪を後ろで縛り黒白の和装に身を包む男。不知火流の原点にして頂点ともいえる、焔と共に邪を裂き闇を切り、ついには自らを縛る輪廻の輪すらも断ち切った伝説の剣聖。

 ☆8+☆2=☆10
 炎神−不知火 攻3500

「ついに抜き放ったか、糸巻の。切り札の一刀、炎神をよ」
「ああ。まさか素人相手にここまで熱くなるとはな、アタシらしくもない……だが八卦ちゃん、なかなか楽しかったよ。炎神の効果発動!特殊召喚時にアタシの墓地、または除外されたカードの中からアンデット族のシンクロモンスターを任意の数だけデッキに戻し、その数のカードを破壊する!」
「そんな、それでは!」
「クノスぺの攻撃ロック効果も、効果破壊には無力。刀神、そして戦神の2体をデッキに戻し、両端のクノスぺを破壊。不知火流・霊宝の太刀!」

 炎神が騎乗状態のままその妖刀を天高く掲げ集中すると、色とりどりの炎がその刀身を中心に燃え広がる。その姿は本人の白装束も相まってそれ自体がまさしく1本の樹……白銀の根、黄金の茎、そして白玉の実を持つとされる伝承の存在、蓬莱の玉の枝のごとし。

「きれい……」

 目の前で炎が織りなす幻想的な光景に、八卦が1瞬気を奪われて小さく呟く。まるでその言葉を待っていたかのように、妖刀がその場で振り下ろされた。ただそれだけで、3人肩を寄せ合って攻撃に備えていた蕾のヒーローのうち2人が消滅する。

「これで、邪魔者はもういないね。バトルフェイズ、Ωで最後のクノスぺに攻撃」

 PSYフレームロード・Ω 攻2800→E・HERO クノスぺ 攻200(破壊)
 八卦 LP4000→1400

「うぅ……!」
「ラストだ。炎神でダイレクトアタック、不知火流奥義・蓬莱斬!」

 炎神を載せた馬が、初めて動いた。いななきと共に上体を反らしたのち、妖刀を構える主と共に何物も邪魔をする者がいないフィールドを人馬一体となってただ駆ける。見る間に両者の距離は詰まっていき、そして……1瞬のうちに、勝負は決まった。

 炎神−不知火 攻3500→八卦(直接攻撃)
 八卦 LP1400→0





「よし、アタシの勝ち……ん、あれ?おーい、八卦ちゃーん?」

 音もなく消えていくソリッドビジョンを満足げに見送る糸巻だったが、呆然とその場に座り込んだままの八卦の姿を見て慌てて声をかける。糸巻本人の世代ならばデュエルモンスター
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