ターン3 蕾の中のHERO
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それはどれほど訓練を重ねようともそれだけでは決して到達できない高み、それこそがまさに天性の才能。老兵が少女に見出した輝きの原石は、疑いようもなく真実だったと確信したからこその反応であった。
「バトルフェイズ終了時にのみ発動できるこのカードの効果で、相手プレイヤーは私のフィールドのカード数と同じになるように自身のフィールドからカードを裏側表示で除外しなければいけません。さあ糸巻さん、この拮抗勝負1枚分を除く全てのカード、除外していただきます!」
「アタシの選ぶカードは……Ωだ。PSYフレームロード・Ωを選び、後は全部除外してやるよ」
「クリスタルウィングじゃない、のですか?」
死霊の王国が崩れ、再び元の店内に光景が戻る。その戦闘能力とモンスター効果から単体で高い制圧力を誇るクリスタルウィングに対し、糸巻の選んだΩはトリッキーな効果こそ持ち合わせているものの純粋なカードパワーでは下回る。そう思ったからこその純粋な疑問に答えたのは当の本人ではなく、いまだ興奮冷めやらぬといった面持ちの老人だった。
「いいや、それは違う。あのモンスターの効果なら、維持さえ続ければ裏側での除外さえ一時凌ぎにしかならないからね。しかもまだ、あちらさんには戦線を維持できるだけのリソースが残っている」
「そういうことだよ、八卦ちゃん。メイン2、墓地から馬頭鬼の効果を発動。自身を除外し、ユニゾンビを蘇生」
ユニゾンビ 守0
「ユニゾンビの効果で、アタシの場のΩを選択。デッキから死霊王 ドーハスーラを墓地に。アタシの領土は滅びない、墓地から屍界のバンシーの効果!」
「また……アンデットワールドが!」
消え去ったかに見えたのもつかの間、アンデットワールドが即座に再興する。再び場を支配する瘴気溢れる空間で、小さな英雄がたじろいだ。
PSYフレームロード・Ω サイキック族→アンデット族 ☆8→9
「妖刀はまだ早い、か。カードを1枚伏せて、ターンエンド」
「私のターン、ドローします」
「スタンバイフェイズにΩの効果で、また馬頭鬼を墓地に。さらにチェーンしてドーハスーラの効果発動!毎ターンのスタンバイフェイズにフィールド魔法が存在する限り、墓地のこのカードは守備表示で特殊召喚できる。さあ、ドーハスーラはここのお偉いさんだ。こいつの効果はえげつないぜ?」
「させません!チェーンして速攻魔法、サイクロンを発動!アンデットワールドさえ破壊すれば、ドーハスーラは蘇生できません!」
「これも止められたか……!」
一度は蘇ったかに見えた死霊の王国がまたしても崩れ去り、彼女のエースの1体でもあるドーハスーラの効果が不発に終わり……このわずかな時間に、糸巻の脳はフル回転した。今のサイクロンは、ドローした直後に放たれた1枚。この限定されたタイミ
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