暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
やっぱ冬は鍋でしょ!・その3
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を煽る。喉をするりと熱を持った液体が通り抜け、その酒精が喉を焦がす。その熱気をぷはぁと吐き出せば、心地よい甘露がやってくる。

「さてお三方、ご注文は?」





「今日のオススメは?」

「北方海域での仕事帰りが多いからな。今日は鍋を薦めてるぜ」

「お鍋、ですか……」

 何が良いか、と右手を顎の所に当てて思案を始める神通。

「はいは〜い!どうせだったらぁ、ご当地鍋が良いでーす!」

 那珂が先んじてアイディアを出してくる。

「お、流石は自称アイドル。地方営業は得意だもんねぇ?」

 川内がニヤニヤと笑いながら那珂をからかう。

「む〜っ!自称じゃないもん!それに地方営業じゃなくて遠征任務だし!」

 実際姉の川内や神通に比べて、那珂は鎮守府にいるのは少ない。遠征部隊の旗艦として、東奔西走駆けずり回っている事の方が多い。その道中で、色んな土地のグルメを食べ歩くのを趣味にしている。ご当地鍋、と一口に言ってもそれこそ全国津々浦々に存在する。その中から選んで作れというのは意外と難題だ。

「で?どんな鍋が良いんだ」

「う〜んとねぇ、石狩鍋とかきりたんぽ鍋みたいなメジャーなのじゃつまんないから……あんまり皆が知らなそうな鍋が良いな!」

 メジャーなのじゃなく、マイナーな奴ね。

「勿論、お酒に合うのにしてよ?」

 川内からも注文が入る。ふむふむ、マイナーでお酒に合う鍋と。

「神通は?何か注文ねぇのか」

「わ、私は……提督の作られるお料理なら、何でも」

 畜生、そんな可愛く微笑まれたら頑張るしかねぇじゃねぇか。



《酒だけで煮る!美酒鍋》※分量2人前

・鶏モモ肉:1/2枚

・砂肝:120g

・豚バラ肉:100g

・厚揚げ:1/2枚

・こんにゃく:1/2枚

・白菜:2〜3枚

・ニンジン:2〜3cm

・エノキ:1/2袋

・長ネギ:1/2本

・ピーマン:1個

・ニンニク:1片

・ごま油:大さじ1

・塩:小さじ1弱

・コショウ:少々

・酒:200cc

・粗挽き黒胡椒:お好みで




 さて、今から作るのは美酒鍋(びしょなべ又はびしゅなべ)と呼ばれる鍋料理だ。広島の一部地域で食べられてる宴会料理でな、元々は酒蔵の賄い飯だったらしい。イメージとしては……すき焼きが一番近いのかな?味付け塩コショウだけども。

 まずは肉。豚と鶏の2種類を使う。これは絶対。砂肝も絶対入る。モモ肉は3〜4cm角の食べやすい大きさにカット。豚バラは5cm幅に切り揃える。砂肝は厚みを半分にしてから5mmの厚さでスライス。

 お次は野菜。これは食べやすいようにカットすればOK
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