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人理を守れ、エミヤさん!
特異点冬木「Fate/zero」
アバンタイトルだよ士郎くん!
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てるな、と思ってね……」
「あ……」

 マシュがロマニの言に声を上げる。何かを堪えるような顔に、ロマニはやはりロマニなのだと感じられた。
 しかしまあ、俺にとっては今更である。努めて平静に応じた。

「冬木は燃えるものだからな、仕方ないな」
「なにその諦観!? 士郎くん諦めたらそこで仕合終了だってマギ☆マリも言ってたよ!?」
「あっ、そのマギ☆マリなんだが……」

 人理焼却された中、繋がる先として残っていそうな所をピックアップし、魔術(マギ)とマリを繋げた結果、それは魔術師マーリンのことではないかと思う俺である。
 しかしドルオタなロマニにその推測は憤死案件なのではと思い当たり口を噤んだ。
 魔術王は生前から千里眼でマーリンの人柄を知っているだろう。俺はアルトリアの話と夢で知っている。普通にろくでなしなので言わない方がいいと思われた。
 せめてもの慈悲として俺は沈黙を選ぶ。それが優しさ、友情だ。

「? なんだい士郎くん。マギ☆マリがどうしたのさ」
「いや別に。現実って儘ならないなって思っただけだから。あと千里眼の使用を自重するのはほんと良いことだと思うぞ」
「……?」
「おい。コントしてねぇで仕事しろ」

 レイシフト直後、周囲の索敵を行いに走って貰っていたクー・フーリンが戻ってきた。
 俺は気安く応じる。

「戻ってきたか。で、どうだった?」

 具体的には聞かない。何を伝えるべきか、情報の取捨選択が出来ないクー・フーリンではない。ケルト戦士屈指のインテリでもあるのだ、彼は。
 いやまあ、風貌や佇まいは野性そのものであるから、そんな理知的な印象はないのだが。

 クー・フーリンはあっさりと答える。

「マスターが知るべき点は二つだな」
「それは?」
「一つは教会と遠坂のお嬢ちゃんの館の偵察結果だ。オレが知ってるのより若い言峰の野郎はいた。お嬢ちゃんの親父らしい奴の姿もあった」
「確定だな。第四次聖杯戦争の時系列か」
「で。追加で情報だ」

 ん? と首を捻る。
 時間軸の特定は、カルデアからの調査で絞れてはいる。
 しかし裏付けはない。故にそれを確認するため、目印として使える人間をクー・フーリンに探して貰っていたのだ。
 それが言峰綺礼、衛宮切嗣、遠坂凛の父だ。まあ、切嗣に関しては見つからなくても仕方ないが、言峰と遠坂父は比較的容易に見つけられると踏んでいた。後は言峰と組んでいる英雄王の対策だが――

「いたぜ、英雄王の野郎が。遠坂のサーヴァントとしてな」
「――なに? ……いや、マスターを鞍替えしたわけか」

 一瞬、言峰綺礼のサーヴァントが英雄王ではないことに驚くも、すぐに事情を察する。
 凛の父は第四次で死んでいる。その凛の父のサーヴァントが黄金の王で、
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