特異点冬木「Fate/zero」
アバンタイトルだよ士郎くん!
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ったか。だが! 年長者だからといって威張り散らすでないぞ? 余を泣かしたら酷いからな?」
「誰が。女の子を女の子として扱うだけだ。俺にとっちゃネロはもう、ただの後輩だからな」
「う、うむ。であるか」
「それで、ネロがこうして来たのは打ち合わせのためか?」
何やら頬を赤らめたネロ。緊張しているのだろう。何せこれから、初のマスターとしてのレイシフトである。緊張していても無理はない。
その緊張をほぐしてやるのが、先輩としての役割だ。ぶっちゃけ、ネロが緊張しているとは思えんが。
「そ、そうだ。これより先の戦い、我らは二手に別れて挑む。シェロは冬木なる地を知悉しているが故に冬木へ、余はどちらであっても未知故にもう一方へ。……シェロ、余の挑む特異点が如何なるものか、聞いているか?」
「無論だ」
ネロの率いるサーヴァントはアタランテ、エミヤ、アルトリアだ。基本運用はアルトリアが盾、エミヤが後衛からの射撃、アタランテの遊撃。エミヤとアタランテが主な攻撃を引き受けて、大火力が必要になればアルトリアが聖剣を抜刀する。
そしてネロチームが挑む特異点は、直接人類史に関わりがあるものではない。いつの時代のどんな国なのか判然としていないのだ。
カルデア命名『特異点アンノウン』――それがネロの挑むもの。
だが、俺はそんなに不安に思ってはいない。ネロは文武に長ける元神代の人間、アタランテはギリシャ一の狩人、エミヤやアルトリアは言うに及ばず、バックアップはアグラヴェインやダ・ヴィンチが務め、カルデアには切嗣とオルタが緊急事態に備え援軍としての控えで残っている。更にロマニがいる以上はカルデアへの通信妨害はほぼ無効化されると見ていい。
備えは万全、後は問題に対処するだけだ。
「ネロだけに限った話じゃないが、どちらが早く特異点を攻略しても、もう一つの特異点へ援軍として出向く予定だ。無理をすることも、急ぐ必要もない。堅実に、確実に、場合によっては状況を維持するだけでもいい。俺達は一人じゃないんだ、楽にやろう」
もしマスターが俺だけだったら第一特異点の如きタイムアタックに挑まねばならなかった。
そう、ネロがいなければ半ば詰んでいたのである。彼女の存在がどれほど有り難いものか、それは俺が一番わかっている。
ネロは頷いた。
「うむ。余の役割は全てが不明瞭な特異点の調査。シェロがやって来るまで待つもよし、容易い敵であれば早急に片付けシェロの援軍に向かうもよし。この認識を共有しておきたかったのだ」
「なら、行こう。皆が待っているだろうしな」
鷹楊に頷いたネロと連れ立って管制室に向かう。
すると、既にレイシフトの準備は完了しているのか、俺とネロを見るなりアグラヴェインが吐き捨てた。
「遅い。何をして
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