睦まじきかな、盾の少女
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嬉しげに、本当に心から喜んで微笑むことの出来る少女。彼女は思い付いたように言った。
「あの、折角なんでドクターにも教えてあげてはどうでしょうか。今度から一緒に旅をするんですし」
「――ん、いい案だ。ロマニもここに呼ぼう」
「はい!」
魔術王としての力を使えば、初見でも応じて来るだろう。しかしそれを言うのは無粋で、ロマニも誘われれば喜ぶだろう。
何せ指揮権をアグラヴェインに移譲し、今はゆっくり休まされて暇を持て余しているだろうから。
ロマニにとり、マシュは保護すべき存在で。
マシュにとり、ロマニは親代わりの存在だ。
未来は決して明るくない。否、寧ろ未来なんて失われている。
それでも人は前を向ける。やって来たロマニに、得意気にハンドサインを教授し始めたマシュを尻目に、俺は改めて決意した。
正義は後付けで付いてくる。故に、俺の手の届く者全てに幸福を。
曇りなく、思う。マシュを、ロマニを、そしてカルデアの善き人々を、決して損なわせはしない。
――その勘定に、衛宮士郎は自分を含める。
しかし。
その鍍金に、皹が入っていることに、彼は気づいていなかった。
ふぉーう。
獣の瞳が、それを見ている。
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