槍の主従の憩い
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ィルムッド・オディナも英雄としてクー・フーリンより格下だから納得できる。
というか、ヘラクレスと同格のクー・フーリンと並ぶ奴がそうそういるはずもないのだが。
「ギリシャはあれだ。可能性があるのはアキレウスとかいう小僧だが――まあ、神々の恩寵ありきの英雄だしな。腕も気質も魂も相応しいがあんまり考えられねぇ」
「アキレウスって言ったら『最速』だぞ? 槍兵として出たらヤバイだろ」
「最速? オレを差し置いて本当にそう言えんのかねぇ?」
まあ、伝承の関係上そう言われてるから、俺からはなんとも言えない。
しかし伝承で言うならクー・フーリンも大概だ。馬の王と称えられた音より速いマハより、クー・フーリンは更に速いと明文化されているのである。速さで言えばいい勝負ではなかろうか。音より速い馬より速いのだから、ある意味でクー・フーリンも『視界全てが間合い』と言えなくもないだろう。
実物を見てもないのだから比べようもない。判断は保留だ。個人的には己の力に依って戦い抜いたクー・フーリンの方が、神々の恩恵を膨大に受けたアキレウスよりも英雄として格上だとは思うが。
あれだ、アキレウスとか完全にその素行が蛮族なので、出来れば関わり合いになりたくないのが本音である。
侵攻軍側なのに、防衛側のヘクトールが親友を殺したとか言って死体を戦車で引き回すとか完全に頭おかしい。いやまあ、感情は理解できるが、ぶっちゃけ怖い。アキレウスかヘクトールかと言われたらコンマ一秒もなくヘクトールを選ぶ。
その他にも、クー・フーリンは無数の神話の英雄の名を挙げた。
しかし近代の英霊は一人も挙げない。
それは単純な実力ではなく、冠位への条件に当てはまらないからだそうだ。
冠位の条件。興味深いが、クー・フーリンは説明を面倒臭そうに端折った。別に知ってても知らなくても関係がない、というのがクー・フーリンの考えのようで、確かにその通りなので追求はしなかった。
「よし、出来た」
「待ってました! いやぁ色んな意味で腕の立つマスターを持てたオレは名実ともに幸運Eを脱却したな! で、今回はなに食わせてくれるんだ?」
「第二特異点MVPのランサーにはとっておきを用意した。腕によりをかけて作ったからご賞味あれ」
厨房から出て、クー・フーリンの席の前に置く。渾身の力を込め、迫真の顔で料理名を告げた。
「――ドッグフードだ!!」
「おい」
「冗談なので睨まないでください怖いです」
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