再編、カルデア戦闘班
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。無論カルデアに細工されないように、特異点へレイシフトする時はカルデアに残させない。俺達と一緒に戦って貰うぞ」
「……! 先輩、それって――!」
マシュが、嬉しげに笑顔を咲かせた。ダ・ヴィンチが言祝ぐように微笑む。ロマニは呆気に取られ、その言葉の真意を質した。
「ど、どういうことだい? 僕が離れたら、カルデアの指揮は誰が――」
「それはレオナルドとアグラヴェインに一任する。カルデアの人手不足はハサンが解決してくれたし、無理なく運営出来るはずだ。ロマニには悪いが司令官の座からは降りて貰うぞ」
「――それって」
「なあ、ロマニ。俺やマシュと、旅をするのも良いんじゃないか?」
「――」
ぽかん、とロマニはアホ面を晒した。
彼にとって、それはこれまで考えられないことだったのだ。
否、敵が魔術王である可能性を考慮すると、鬼札と成り得る自分の存在を隠し通すのは、ロマニにとって当たり前のこと。
なのに、拒否する考えが浮かばなかった。
旅をする。
カルデアの司令官としてではなく。ただマスターを送り出すだけのナビゲーターとしてではなく。共に肩を並べて戦い、旅をする仲間になるなんて。
これまで、一度として考えたこともなくて。十年もの孤独な戦いに徹してきて彼には思い付きもしないことで。
とても魅力的な、悪魔めいた誘惑だった。
俺はロマニの事情を知らない。だが別に気負う必要はないのだ。
「マシュ」
声を掛ける。すると、マシュは頷いて、ロマニに――育ての親とも言える、非人道的な研究から救い出してくれた恩人に告げた。
「ドクター。私と、一緒に旅をしましょう」
その言葉に。色彩に。
ダ・ヴィンチは笑った。
「君の敗けだロマニ。どんな計算も、あの笑顔には敵わない。そうだろう?」
「……参った。うん、敵が魔術王なら、僕の存在は隠しておかないとまずいっていうのに。どうやら僕は、彼らに逆らえそうにない」
「ん? どういうことだ?」
「全部話すよ、僕の知ってることは」
ロマニは仕方なさそうに苦笑して、マシュの頭を撫でた。大きな慈愛の気持ちを込めて、優しく、優しく。くすぐったげなマシュを見守る、本当の親のように。
「ただ先に言っておくと、どうやら敵は魔術王の力を超えているようでね、僕の千里眼でも正体は見抜けなかった。大体の察しは付いたけど、知らない方がいいかな、今は」
「……そう言うなら信じよう。論理的じゃないが、論理だけで世界は回らないからな」
受け入れる。秘密主義も行きすぎない限りは必要だ。時には味方にも秘するべきものはある。
ロマニは言った。
「僕の知っている情報を開示する前に決めておくことがあるだろう。もうすぐ二つの特異点へ同時に
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