急転直下のカルデア事情
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カルデア最強が彼だ」
「クー・フーリン……!」
さしものアグラヴェインも驚きを露にする。彼から感じる力の波動のようなものは、日中のサー・ガウェインに比するものだったのだ。
クー・フーリンはアグラヴェインを見遣る。そして気負いなく挨拶を投げた。
「よ。新顔だな、見た感じ不完全みてぇだが、ここに来たからには同胞だ。よろしく頼むぜ」
「……こちらこそ、よろしく頼む。高名のほどは遠くブリテンでも鳴り響いていた」
「あーあー、そういうお堅いのはいらねぇよ。賛辞も聞き飽きてるしな」
その賛辞の果てがクー・フーリンの末路である。強すぎるが故に、修羅の国ケルトの戦士ですら戦うことを諦め、女王の仕掛けた謀殺を選んだほどの。
サー・ガウェインの最も有名な伝承はクー・フーリンの逸話を下敷きに描かれた物なのだ。彼と血縁関係にあるアグラヴェインは当たり前のようにそれを知悉している。
そして続いてやって来たのがアサシンのサーヴァント、エミヤキリツグである。士郎としては彼が本命だ。
「パスを通じてマスターから情報の共有はされている。僕のすべきことは理解しているから説明は要らない。いつでもやれる」
「よし。念のため聞くが、レフの死体に第二宝具は反応したか?」
「反応はあった。あれは一種の高度な魔術式なんだろう。今後は僕の宝具で魔神柱へ対応が可能だ。魔術王の魔術にも同様の効果が見込める」
「――期待通りだ。ランサー、召喚ルームに突入し次第、魔術王ソロモンの無力化を頼む。奴の魔術はアルトリアの対魔力を貫通するぞ。高速神言スキルも持っていると見ていい」
「応。要はやられる前にやれってこったろ?」
「端的な理解だがそれでいい。五秒で仕掛けるぞ、いいな?」
五、とカウントダウンするや、切嗣がナイフを構える。
それは彼の代名詞。サーヴァントととしての宝具名は『神秘轢断』だ。
これにより召喚ルームを塞ぐ防護壁を破壊、魔術王にダメージも与えられる。そして不意のダメージに魔術王が少しでも驚いてくれたら儲けもの。その瞬間にクー・フーリンに叩きのめされるか、少し抵抗してクー・フーリンに叩きのめされるかだ。どれほどの怪物であれ、霊基の脆いカルデアのサーヴァントである以上、クー・フーリンに敵うべくもない。
一、と呟く。
切嗣がナイフを握り直した。
と、同時。
召喚ルームが、突如開かれる。身構える士郎らを、引き攣った笑顔が迎えた。
「や、やあ……」
ロマニである。彼は両手を上げて、自身は何もされてないアピールをしている。
「……ロマニ?」
「この通り僕は無事だよ。ただソロモンはいきなりのことに怒って退去しちゃったよ。あはは残念だなぁ折角
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