カルデアの救世主
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力な円卓の騎士の召喚を試みんとしていたのだ。
ダ・ヴィンチも士郎に回ってきた運気を感じていた所である。天才ゆえにそれを感じていたから、士郎の要請に応じて召喚ルームに電力を回したのだ。ややもすると、本当に円卓の騎士が召喚できるかもしれない。召喚出来れば戦力の向上は確実だ。試さない手はない。
まあ天才だって魔が差す時ぐらいあるのだ。
そんなわけで召喚である。もともと後一騎は呼ぶ予定だったこともあり、手配は滞りなく進んだ。士郎はアルトリアの背を押す。アルトリアは稼働した召喚システムを通じて、目を酒気に曇らせつつ厳かに告げた。
「モードレッド以外の円卓の騎士よ! 今こそ我が呼び声に応じて来たれ! もし来たらモードレッドは即座に退去させるとして、後の円卓の騎士は歓迎します!」
「――もっと熱くなれよぉ!」
「えっ!?」
「本音をさらけ出せよ! もっと素直になれよおぉ! そんなんで円卓が来る訳ねぇだろうがぁ!」
「わ、分かりました! ――ランスロット被害者面うぜぇ! モードレッドは構ってちゃんうぜぇ! 貴様ら二人以外なら誰でもい――やっぱりアグラヴェイン貴方に決めた来いアグラヴェインんんんんゥゥ!」
「アグラヴェイン――!」
この現場を見て、管制室のダ・ヴィンチは悟った。
――あ、ダメな奴だ……。士郎くんやらかすぜこれ。
流石天才である。その予感は正しい。果たして滅茶苦茶な魔力の指向性に召喚システムは誤作動を起こし、霊基パターンが狂いに狂って特定のクラスにサーヴァントを招くことが出来ない。カルデア職員が叫んだ。
『サーヴァントの霊基パターンが乱れています! こ、このままではまともなサーヴァントとしての召喚は――』
『誰かあの二人を止めるんだぁ!』
ドクター・ロマン、魂の叫びである。
しかし無常、間に合わず。いや寧ろ間に合ったと言うべきか、召喚システムは稼働して盛大に魔力を爆発させた。
目映いエーテル光の中に、一騎の騎士が参じる。
それは即座に跪いて臣下の礼を取り、己のマスターと主君に向けて名を告げた。
「――サーヴァント、アグラヴェイン。お召しにより参上致しました。我が王よ、再び御身のもとに侍ることをお許しください」
「おお、サー・アグラヴェイン! まさか本当に来てくれるとは!」
そのサーヴァントこそが、鉄のアグラヴェイン。厳つい顔立ちの黒騎士。円卓崩壊の序章を担ったブリテンの宰相である。
彼の辣腕ぶりと、その仕事ぶりを知るアルトリアは素直に喜んだ。人柄についても信頼のおける、円卓の数少ない良心だ。問題児ばかりの円卓を率いたアルトリアの感動も一入だった。
「……」
突然静かになった士郎は、無言で騎士と騎士王を見る。
そしてアグラヴェインがマスターである士
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