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人理を守れ、エミヤさん!
幕間の物語「いつかどこかの時間軸」3
人理守護戦隊衛宮
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にフランスを勝利させたのはジル・ド・レェであり、実態を見ればジャンヌ・ダルクはジル・ド・レェの添え物でしかない。
 英霊としての格は、どうしたって聖女の下になるだろうが、実力で言えばジャンヌなど歯牙にも掛けぬものがある。最盛期の元帥としてなら、戦略という見地からすれば非常に頼りとなるだろう。
 だが、人格的に信用ならない。如何なる理由があれど、聖女の火刑の後に狂い数多の罪業に手を染めた事実は動かないのだ。信奉する聖女が守ったはずの国から裏切られ処刑されたとしても、全く関係のない無辜の民を傷つけていい理由にはならない。
 『自分は酷い目に遭ったから酷い事をしてもいい』なんて――悲劇の主人公ぶった振る舞いをする奴は軽蔑に値する。そんなに赦せないなら反乱でもして当時のフランスの上層部や異端認定した輩を根絶やしにすれば良かったのだ。当時のジル・ド・レェの名声や実力からして、相当良いところまで行けたはずである。
 まあ最後は普通に破綻するだろうが。それをせず弱者にのみ悪意を向けたジル・ド・レェは、はっきり言って気骨の欠けた匹夫でしかない。

 雑談はそこで切り上げ、俺はマシュと共に英霊召喚ルームに移動した。
 とてとてと付いてくるフォウに和む。癒し系小動物は見ていてとても気分が和らぐ。かわいいは正義と人は言うが全くその通りだ。正義の味方としてかわいいの味方になるのは正しい事である。フォウはもう駄々甘に甘やかして、これでもかと可愛がるのがいいかもしれない。

 ぶっちゃけマシュとの組み合わせが大正義なので、その場合はマシュも一緒でないとならないが。

 そんなこんなで到着した儀式の間。俺はマシュの盾が設置されるのを見届けて、ふと思った。
 アルトリアが出てきたらどうしよう……。
 個人的には嬉しいのは嬉しい。彼女の別側面とか別の可能性とか見てみたい。
 しかし、しかしだ。現実的に魔力が足りないので勘弁して欲しいのが本音。どういうわけか、自分と彼女の縁は深く、下手すれば全クラスをコンプしてしまいそうな恐怖がある。もしアルトリアが来たら……どうしたらいいのだろう。

 今更だ。どのみち戦力は多いに越したことはないと諦めるしかない。俺は決然と告げた。

「始めよう。ロマニ、レオナルド、こっちの準備は整ったぞ。呼符も確かに設置した」
『こちらでも確認したよ。霊基一覧も起動した。電力を廻すからいつでも始めてくれ』

 ああ、と頷き、俺は召喚システムを作動させる。
 爆発的な魔力が巻き起こる。青白い燐光が呼び出される霊基に輪郭を与えていく。
 さあ誰が来る。槍トリアか。弓トリアか。騎馬トリアかそれともエクストリアか。誰でも来い、と腹を括った。もうあれだ、ここまで来たら覚悟も出来た。円卓系列なんだろどうせと思う。

 やがて、光の中に
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