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魔術師ルー&ヴィー
第二章
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と真実を語った。
「いやぁ、私は人間どもに召喚された悪魔だよ!器となった人間の方は食欲だけ残して吹っ飛んだからね。ま、私があれに戻らない限り、もうあれは動きは出来ないがね。そろそろあの躰で遊ぶのも嫌気が差していたから丁度良かったよ!あ、そこのお前、上着を寄越せ。」
 それを聞いて、四人は呆気にとられた。まさか融合させられた悪魔の精神のみが残っていようとは、さすがに思わなかったのである。その上、こんな状況で命令までしてくるとは…。
「おい、聞こえているのか?上着を寄越せ。この躰をいつまでも愛でていたいのなら、それでも良いのだがな。」
 確かに…前に立つそれは“裸”である。先程までの顎が外れそうな人間擬きではなく、美青年と言っても差し支えない。並の女であれば失神するか欲情するか…。
 尤も、マルクアーンはそのどちらでもなく、単に人の型をした悪魔としか見てないが。
「そこの女、お前はこう言うのが好みか?」
 そう言ってそれはクルリと回って見せたが、当のマルクアーンは赤面するどころか溜め息をついて返した。
「お主よりも美しい者なぞ多くおる。そもそも、お主は七十過ぎの婆が好みか?」
 そう返されたそれは、キョトンとして目をパチクリさせて言った。
「そうか…お前、先の大戦で?時間?を封じられたのか。」
「そうだ。それ故、今のお主の裸体を見たとて動じる必要すらない。」
 マルクアーンにそう言われたそれは、高らかに笑い声を上げた。
「これは良い!久々に楽しめる人間に会えて嬉しいぞ!」
「わしは全く嬉しくないがの…。」
 マルクアーンはそう言って再び溜め息をつくや、自分が纏っていた外套を脱いでそれに投げてやった。そして後ろで呆けている魔術師らに振り返って言った。
「何をしておる!手筈通りに動かんか!」
 その声にルークとスランジェは我に返って「はい!」と答え、直ぐ様それに結界を張ったのであった。
「ふぅん…中々良く出来てる。さて、どれだけ保つか試すとしようか。」
 それはそう言うや、瞬時に自分の力を開放した。
「…!」
 二人の魔術師はその力に押され、自身も力を入れ直した。
「遊びか…仕方無い。シュトゥフ、早ぅ調べるぞ!」
「やっと出番じゃな。」
 そうして二人の英雄は、倒れたグールの躰を調べ始めたのであった。




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